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2018年10月 2日 (火)

117

2018/9/24,

117生誕50周年のクラブイベントに行って来ました。
クラブには一切入ってないので横からの参加ですが(^^)

総数では100台をわずかに越える台数が集まったようです。
皆きれいに維持していて感心させられることしきり!
全体でも117の生き残りは2,000台程度のはずであり、その内の100台が集結するんだから素晴らしいことです。
熱心に活動を続けているおられるクラブ員の皆さんには頭が下がります。

会場には旧知の方々も多かったようなのですがほとんど探しきれず、ご挨拶もできないまま会場を後にしたのは残念でした。
個々のクルマを観察する余裕も全く無し。

次の60周年には、ウチのクルマも連れてってあげなくちゃ!


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117

2018/9/24,

117生誕50周年のクラブイベントに行って来ました。
クラブには一切入ってないので横からの参加ですが(^^)

総数では100台をわずかに越える台数が集まったようです。
皆きれいに維持していて感心させられることしきり!
全体でも117の生き残りは2,000台程度のはずであり、その内の100台が集結するんだから素晴らしいことです。
熱心に活動を続けているおられるクラブ員の皆さんには頭が下がります。

会場には旧知の方々も多かったようなのですがほとんど探しきれず、ご挨拶もできないまま会場を後にしたのは残念でした。
個々のクルマを観察する余裕も全く無し。

次の60周年には、ウチのクルマも連れてってあげなくちゃ!


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2014年11月 3日 (月)

4.一方の、真っ向から立ち向かう人 その1

......

ウェスタンを始めとする過去の先駆的な技術者達が、そのほんの黎明期であるに過ぎなかったはずの時代に既に完成させてしまったかのようにも思える、それ程までに優位性を誇ったこのホーンシステムは、あるいはこの時代でもうとっくに完結していたと考えた方が良かったのかも知れない。
もちろん技術面での僅かな弱点は確かにまだ残ってはいたが、それは後の世の研究改良によってどうにでも補完して行けるレベルのものであったろうと思う。

ところが、そもそもこれだけの高レベルからスタートして時代と共に更に洗練されて行くはずだったこの高貴なるものと表現して良いであろう音世界は、実際にはその後の時代の波あるいは時代の変化と言ったものには乗り切れずに(現実的には当初の技術レベルが継承されること無く)結局はどこかに埋れて行くことになるわけだが、しかしその最初から余りにも完成されていた音世界は、これはもちろん後の世の技術者にとっては大きな壁でもあったと同時に、この間のいくつかの新たな挑戦を生むための土台ともなっていた事をここで記しておきたい。

ウェスタンの時代以前に既に、スピーカーを理想的に鳴らすための理論の中には実はこのホーンシステム以外にもあと二つの方法が存在していた。そのひとつは無限バッフルと言う考え方。
これは理論的に言うと無限大の平面バッフルにスピーカーユニットを取り付ける事で背面から放射される音成分を完全に遮断しようとするものである。無論無限大を現実化することは不可能であるわけだが、その近似値を実現するやり方は三つある。

最初のひとつは所謂プレーンバッフルと呼ばれるもので、この無限バッフルを有限化したものである。
限られたサイズの平面バッフルを部屋に設置しそこにユニットを取り付ける事で無限バッフルの持つ理想的(であろう)特性の片鱗を伺おうとする方法であると言える。
これはかつてはステレオサウンド誌でも実際に製作したことがあり、記憶では2400mm角のプレーンバッフルにALTEC 604-8Gを収めていたと思う。
2400mm角とは、要は四畳半の壁一面の大きさとなる。これを左右二枚。当然その間にはある程度の空間も必要で、この音を聴くための環境としてはとりあえずバッフル前面方向にはバッフル設置面積の最低1.5倍長、つまりは四畳半に中間部分の余裕を考えて八畳、これの二つに対し1.5倍長であるから少なくとも24畳は必要な計算となる。
......そんなお部屋お持ちの方って何人おられるんでしょう?(^^;;

ステレオサウンド社の視聴室はそれなりに大きなものであったことは良く知られているが、このプレーンバッフル時代にはそれでもさすがに狭かったと言う現実的な感想を述べる方もおられたように記憶している。
実際、これはプレーンバッフルを経験してみれば容易に理解できることなのだが、これを設置する場合に最も重要となる要素は実は背面の壁との距離をどう取るのか?と言う点になって来るのである。
この時の距離は実際には思ったよりもかなり多くを要するものなのだ。有限バッフルでは背面からの反射音の影響を抑えるために要する距離が最低でもバッフル面の大きさ分は必要となる。
つまり、背面側にも更に八畳x2の空間が必要となり、先の計算結果にこれを加えて総計40畳と言うとてつもない広大な部屋が必要になってしまうことになる。
更に更に、これをオーディオ的に考えるならばプレーンバッフルと部屋の側壁との距離を取る必要性もあり、そうなると天井高の問題も必然的に付随して来るわけで、これを考慮した計算結果は、.......いやもう計算するの嫌( ;´Д`)

とりあえずこの話は、Quad ESLのオリジナルを使った経験のある方なら容易に理解できましょう。

さあさっさと次に行きます(^^;;

続くひとつは所謂 壁バッフル と言うもので、住宅の広い一部屋の中間に新たに壁を設置しそこにユニットを取り付ける。背面側は多少狭くはなるがそのまま部屋として使って差し支えない。あるいは二つの部屋の境界となる壁をバッフルとして仕立て直す形でも良い。
ただしこれは文章として書くと甚だ簡単なものになるのだが実現するのは容易なことでは無いのは明らか。
しかもこの場合の壁が住宅の強度部材としての役割からは完全に切り離される必要があると言う点でもって、この事が実現性と言う面では大きな、文字通りの壁となる。

もう一つはスピーカーキャビネット自体を壁に埋め込んでしまうと言うものであり、バッフル面と壁面をツラに揃えれば確かに理論に近いものにはなる。これは大昔の吉祥寺ファンキーで見た記憶がある。1Fの、あれはD130+175DLHであったか?

そしてもう一方が無限容積の密閉箱となるわけだ。
一般的な大きさの密閉箱では限られた容積の中での背面からの放射音による反射や圧の影響で本来の外面への放射音に対しても様々な弊害を引き起こすわけだが、ならばその容積を無限大にしてしまえばその心配は無くなると言うのがこの理論である。
もちろんこれにも実現性は無いのは明らかなので、この場合は容積の制約がスピーカーの特性に与える影響をほぼ無視できる範囲に収めた上でのキャビネットの大きさとの関係を最大公約数として求めたJIS指定箱と言うものが存在する。
この箱の用途としてはユニットの特性をカタログに記載するために測定する時これを用いると言うことになっていて、つまりはこのJIS箱を自作してやればカタログ値の特性を実現できる、言い換えればメーカーが意図した音そのものを自分の部屋でも再現できると言うことになるわけであり、実際私も若い頃にロクハン(16cm)一発用にこれを作ろうかと考えたこともあったが、いざ寸法を調べてみた時には既にその箱の大きさはあまりにも非現実的な大きさである事に気付き大いに落胆したものである。
こんなもん、当時の住処であった四畳半とか六畳間にはとてもとても置けるわけはないのだから......(´Д` )

前振りが長くなってしまったが、ここではこの最後の密閉箱に挑戦した人が居たと言う話を始めたい。
この人の密閉箱は、実はオールホーンシステムに対する挑戦であったと言い換える事もできるように思えるからだ。

話の主は、そう、一ノ関ベイシーの菅原さんのシステムである。

長くなってしまったのでこの話は その2 へと続けることにする。

......

2014年10月28日 (火)

沈黙は、宜しく無い?

本当に久しぶりに出てきて記事を書き出して、おやっ?と思って読んでくださった方にはご迷惑をおかけしてるかも知れませんね。

今回のはたまたま要望があって書き出したものなんですが、恐らくこう言う世界を理解できる人はほんの僅かな数に止まることと思います。リアルにその現場に居て、リアルにその時々の人たちと交流した経験は、同じような経験を持つ人には通じるであろう話ですが、それ以外の人にとっては全く意味不明の話になってしまうのは(大変申し訳ないのですが)これはいた仕方ないことだろうと思っております。

それでも、今になってこんな話を書き出すのは、こう言う経験を後世に伝えようとする動きがあまりにも少ないと言うことが理由として挙げられます。もちろんこの私にそんな大役が務まるなんてことは思ってもいませんが、それにしても誰か書けよと!黙ったまま過ごしてたらみんなもうじき死んじゃうじゃん?そんな現実もまたリアルのものとなって来ているわけですから。

これは決して経験した人たちだけが墓場に持って行って良いって話ではないんですよ。
あの時代に真剣に音に取り組んだ人たちが居たこと、そしておよそ言葉では言い尽くせない、えっとこれは故 岡俊雄先生が提唱された事なんですが、オーディオに狂うと言うことはこれは即ち<再生芸術>と言う新たな世界を構築する作業なのであると。その世界は生演奏と同一の土俵で語るべきものではなく、これはこれで独自の究極を目指すものであるのだと。
生演奏は、如何に時の名演奏家を持ってしてもそれが必ずしも名演奏となるとは限らないではないか、しかし我々には過去の名演奏家による素晴らしい名演奏が記録されたレコード盤がある。これの中に秘められた音楽世界を己の精魂を込めて最大限に引き出す事でそれらの魂を引き出すこと、これこそが再生芸術と言うものなのである、と。

そのお言葉を直にお聞きしている身としては、やはりこのまま黙ってるわけには行かないよなと思い始めたわけです......

2014年10月27日 (月)

タンノイ オートグラフを評価する,その3

K先生のオートグラフはTEACが正規代理店になってから輸入された物で、中身はモニターゴールドが標準となっておりました。
先生はこのオリジナル状態を基本に数十年間取り組んで来られて、その経験の上で近年になってから熟慮の末にモニタシルバーを入手、更にはモニターレッドまで入手されて(こちらはどっかのオヤジがけしかけたらしいですが(笑)、それからはそれぞれのユニットを付け替えじっくりと納得行くまで鳴らし込んだ上で、最後にこれでどうだーっ!ってな頃合いになってだいたいお声がかかります。
まあオーディオ好きの性と言えばそれまでですが(^^;;気合の入り方は半端じゃあないです、この先生(@_@)


......

3,心は、届く

目黒鷹番の学芸大駅近くにホーム商会と言う店がある。ここは随分と古くから日本のハイエンドオーディオを牽引して来た店の内のひとつである。

JBL #43シリーズが爆発的なヒットを放ったその時代に、実は瀬川先生の他にもこのシリーズの持つ可能性に着目し早くから店にデモ機を置いて顧客に対しての提案を行っていた所が幾つか存在していた。ここはそんな先駆的な店の内のひとつであった。

ホーム商会に於ける展開の流れはまず(勿論)4320から始まり、すぐに4330、4333、4341、4343、4343Bへと続き4350すら展示していた時期もあった。ここで興味深いのは少し時間を置いてはいたが並行してL200(=4320)を置き、またL300(=4333)を置いていたことだ。
これらJBLが同時期に並行して展開したホームオーディオ用としてのモデルは、なるほど余りにも無骨で殺風景な#43シリーズを家庭に持ち込むことに躊躇する顧客層に対しては多いにアピールすることが出来たであろう。
販売店での商売としての目論見を考えればこれは非常に説得力のある至極真っ当な手法であったと言うべきであり、実際この店が存在したことで正気を失うことなくオーディオ趣味を維持出来た常識人が数多く存在したことは同類の目からみても喜ばしいことであったと思う。

そしてそんな目まぐるしく変換して行く時代の中で、この店には更にもうひとつのシステムが不動の存在として君臨し続けていた。
JBL D44000パラゴン、しかも初期型の190-4Cを内包するシステムである。そしてそのパラゴンは永らく<非売品>とされていた。

ホーム商会での#43シリーズの展開は随分長い間続いていたと思うから、恐らく、特に4343に関しては販売数はこの店が日本一だろうと言われていた。
そんな店だったからこそここには他のアンプ群、ターンテーブル、カートリッジ、また周辺機器も含めその時々の各社最高峰のものが並んでいて、訪れる客は4343を基準としてそれらの機器の聴き比べをしまた品定めをする、そのような場でもあったわけだ。

そうやって最新鋭の機器により4343の能力を更にあと少し、いやここはまだ出るだろう?そんな真剣な視聴を繰り返しながらフッと、店長の(現社長)あきらさんがちょっとパラゴンに代えましょうと用意してくれる事があった。
真剣勝負で疲れ果てた耳、もう音自体しばらく要らないなあと思うくらいのクタクタな状態の身体、それを優しく解きほぐしてくれるかのように、そのパラゴンの音は真っ直ぐに身体に染み渡ってくるかのような音がしていた。
4343を真剣に聴き込んだ後でのパラゴンの音なんてまともに評価しようとしたらそれこそ目も当てられない、およそHi-Fiですらないだろう?と言われかなねい筈の音であったのに、とにかくその時のパラゴンの音は深く染みたのだ。

そう、ホーム商会のパラゴンの音で既に答えは出ていたのだ。勿論あきらさんは何も言わなかったけれど、そうやって私にもその事を教えてくれようとしていたのだろう。

4343を精密にバランス取りし最上の周辺機器で固めて生演奏と同量の音量にしてレコードを演奏した時、これはもう何度も経験したことだがお店に入ってすぐの部屋でその音を聴くと奥の部屋では今まさに生演奏が奏でられているとしか思えない錯覚に陥ることがあった。これは特にピアノ演奏では顕著な現象であった。

うわあこれは良い演奏ですね、しかし本物のケンプがここに居るわけはないですよねえ?そんな事を言い合って客同士で笑ったものだ。

隣室から漏れ聞こえてくる恐ろしくリアリティに富んだ音世界、これこそは4343の真骨頂であったろうと思う。生の弦楽器が奏でる、時に突き刺さるようなリアリティも、またそれが響きを伴って優雅に重ねられて行く様子も自在に再現して見せたし、また人の声にはしばしばゾクっとさせられたものだ。
一方で所謂PAを伴う演奏つまりジャズやロックまた歌謡曲演歌そのようなレコードではこの隣室での甘美なる経験をすることは終ぞ無かった。

その理由が何であったのか深く考える間も無く私はやがてオーディオの世界から去るわけだが、その答えはあれから数十年もの時を経た今になって、そう、掛川さんのオートグラフそれもモニターレッドから発せられる音によりはっきりとまるで言葉で言い含められるかのごとくに突如として理解できたように思う。

機械であるスピーカーが発するものとは何であるか?わざわざ言う必要もないがこれは音を発するための機械なのであるから答えは 音 であるに決まっている。
次にスピーカーから発せられた音はどのようにして聞き手の耳へ届くのか?振動板により空気を直接振動させることで音と成し聞き手へと届ける、ここではそんな程度の説明で事足りるだろう。
ではその振動板からホーンを介した場合はどう違ってくるのか?この事の説明はこ本文の冒頭で簡単に書いたが、つまりはホーンの技術とは音を遠くまで届ける事をその目的として構築されていた。

ここで両者からある程度の距離を置いてその音を聞こうとする場合、振動板のみで音を発する場合にはその音を聞き手まで届けるに足るだけのアンプ側の力を必要とする。
まだ十分なアンプ出力が得られない時代ではここでスピーカー側でも工夫を凝らす必要があり、スピーカーの振動板にはより軽くて強い素材や構造、製法を研究すること、更にまた磁気回路の最適化、更にその材料の吟味そして強力化によりスピーカー自体の変換効率を上げるための大きな努力が必要であった。ホーンの技術もまたそんな努力の中のひとつとして生まれたものであると言える。
振動板から出る音をホーンにより拡大した場合、それが適切な設計であるならばスピーカーの変換効率は段違いに大きなものとなるからアンプ側の負担は小さくて済む。初期のウエスタンエレクトリックのアンプなぞほんの数ワットの出力しか持っていなかったのだが、それでも大掛かりなホーンシステムによるウエスタンスピーカーは千人規模のホールでも浪々と鳴り響くだけの力があったと言う。

ここの所を良く考えてみて欲しい。

いったいウェスタンのホーンシステムに何の不足があったと言うのか?後世の人々はこれから何を引きこれに何を足そうとしたのか、そしてその事は本当に必然であったと言い切れるのか?
無論私自身も全盛期の良い状態を維持したウェスタンなんて聴いた経験は無い。せいぜいが池田圭先生の所のものを聞かせていただいた程度の事だ。
なのでこの部分については想像で言う以外に無いのだが、まあしかし然程心配する必要は無かろうとも思う。まともなウェスタンの音を聴いた経験のある人なんてもう何人も生きちゃあいない。


初めにホーンシステム有りき。後に広く定着することとなる箱によるシステムは全ては妥協の産物ではなかったのか?

箱によるシステムはそれでもアンプ側の出力が稼げるようになると安定して大音響を実現出来るようになって行った。勿論それに伴うスピーカー側の改良も同時進行し大入力に耐える工夫が成されて行くことになる。
アンプ側の余裕がスピーカー側に必要以上の高効率を求めないようにまでなるとスピーカーの側はよりワイドレンジにあるいは低歪率へとその方向性を変え所謂高忠実度化への道を進むようになる。
そしてこの流れの中でスピーカーの音からはどんどんと音楽が失われることとなった。紙の上に出力される様々な特性からはあらゆるネガな(と思われる)点が潰されて行き、技術者たちは平坦になりまた低比率化したグラフを眺めてはそれが進化の結果であると信じ込もうとした。良し悪しの基準を数字に置き換えようとしたのである。
オーディオ暗黒時代の始まりであった。しかし、これでは正に木を見て森を見ず。心を失った音は迷走を始めることになる。

欲しいものは何だったのだろう?大事なものはどこへ消えて行ったのだろうか。

そもそも音 とは、エネルギーである。
また音楽とは、感情である。
聞き手に感情を届けるためのエネルギーとしての音は、いつしか機械が自己満足しているだけの心の無いただの音になってしまっていた。
最初にあったオールホーンシステム達が軽々と運んだその心はいつしか聞き手の元へは決して届かないようになって行ったのだ。

人は誰かに呼びかけようとする時、無意識に口元に両の手をあて届けと願いながら声を発するものだ。願いの無い呼びかけはただ突っ立ってまま大声でがなり立てるような事となり、それはこちらには甚だ見苦しいものと映る。
相手に届く声とは、その相手の方にしっかりと向きながら心から発するものであるから、その音量は意外な程に小さなものであったとしても気づくことが出来る。時には音は物理的な距離によってかき消されていても心だけが真っ直ぐに伝わる場合さえ有り得る。
オールホーンシステムはそう言う力を持っていたのだ。

そのこと故に、K先生のオートグラフは小さな音量の中に奏者の溢れんばかりの感情を伴って直接こちらの心に飛び込んでくるかのような鳴りかたをする。
何も不思議なことなのではない。そんな風な音が出るのにはきちんと理由があると言うことだ。

......

2014年10月26日 (日)

タンノイ オートグラフを評価する,その2

ここで書く事柄は今から35年ほど前の遠い昔の記憶です。

幸い、と言うべきなのか?こちらもだいぶ歳喰ってまいりましたので昨日今日の出来事の記憶なんてまるで当てにならなくなっておりますが昔のことはよく覚えてるもんです。昔爺ちゃんか言ってたことそのまんま今、自分がやってる感じですねえ(笑)


......

2,オールホーンシステムはホームオーディオとして存在し得るのか?

過去に登場したオールホーンシステムはいずれもが巨大なものであり、また内部構造の複雑さ故非常に高価なものでもあったしかつ重量も嵩んでいた。
オーディオ好きなら誰しもが憧れたであろうそれらのシステムは、例え幸いにしてある程度の財をなし十分に購入できるような境遇になったからと言ってそう易易と自宅に招き入れられるようなものではなかったようだ。

購入を検討した場合にまず問題となるのがやはりその本体の大きさである。店頭で見るシステムの大きさは実際に自宅へと招き入れて設置した時に驚愕の大きさと映る場合も少なくない。
従って日本家屋に於いてはそもそもシステムを置くだけのスペースで既に難儀し、コーナー型のシステムではステレオで使用する場合にはスピーカー間の距離を必要とされるだけの十分なものを実現できることは恐らく稀であろう。
またシステムの大きさは必然的に広い部屋空間が備わっていることを要求し、曰く、これはそもそもが欧米の邸宅で使われることを意図したものであり日本の家屋で使うのは無理、あるいは大音量を出せない境遇でこんな巨大なシステムは意味がない、と。これらは当時巷のオーディオ好きの間で盛んに交わされた言葉である。当時の高名な評論家の間でもこの意見に賛同する向きすらあった。

だがここで思い出して欲しい。
JBLがスタジオモニターシリーズを展開し、その頂点でもあった4343を発表した時、その十分に巨大と言って良いシステムが日本国内で狂ったように売れまくった時代があったことを。

その当時でもJBLのカタログにはパラゴンがまだ存在しており、さすがに価格比では倍近いものがあった事は事実だが、それでも売れたのは#43シリーズのみに極端に偏っていた。当時の輸入元の話として国内で15,000本あるいは15,000セットであったかも知れない、なにしろそのような数が売れたと言う。
内蔵するユニット群は価格的には両者ほぼ同じものが使われたが、#43シリーズではウーファーにそれまでのD130系からがらりと変更されたLE系のものとなり、こちらはより低音域の拡大を狙ってコーン紙が重くなりfoが下げられ、同時に能率は落ちていた。ミッドレンジのドライバーも従来の375系からPROシリーズへと移行、こちらもマグネットが強化され特徴的なショートホーンに音響レンズが組み合わさる形となっている。更にツイーターでも基本部分は従来の075を踏襲しつつ前面のホーン部分に改良を加えてハイエンドの拡大を狙っていた。

#43シリーズに於けるこれらの変更の目的はただひとつ、この時代マルチトラック録音が確立しまた流行りの音楽もクールジャズからクロスオーバーへと激しく返還する大きな流れがあった。ロックの世界でも同様に激しい動きがあったようだ(この分野は詳しくない)。
またクラシック音楽の現場に於いてもマルチマイク/マルチトラックによる録音は従来のデッカリボン方式のようなワンポイント収録からはがらりと様相を変えており、録音スタジオのモニターとして瞬く間に日本中を席巻した#43シリーズの現場での使われ方は非常とも言えるような大音量に耐えその中でそれぞれの音を正確に掴み取ることができるもの、そういうことが求められていたようである。

話を少し前に戻そう。
この時代#43シリーズに最初から着目し研鑽を重ねながらホームオーディオ用途としての使い方を提案したのは故 瀬川冬樹先生であった。
初期の4320から既にスタジオモニターシリーズに取り組んでおられた瀬川先生は後に生涯最後のシステムとして4343をその友とし、そしてその音は正に唯一無二、他の誰もなし得ない世界を構築されていたと言われるが、その最盛期にガンにより急逝されたことは私にとっても甚だ存念なことであった。

その正に同じ時期に私は瀬川先生のすぐ近くに居たのである。しかしその音を自分の耳で確かめる願いは終ぞ叶えられることはなかった。
ただ幸いにしてやはりごく近くで交流されていたオーディオクラフトの花村さん、またメースの森田さん、このお二人とも近い位置に居られたことで、そのお二人からの言葉により瀬川先生の4343の音はある程度の所までは想像し理解する事は出来ていたような気がする。

......瀬川先生の4343は然程大きな音量で鳴らされているわけではなかったようだ。

実は#43シリーズを小音量で鳴らすと言うことは実際には大変な難題でもあるのだ。
その理由はこのシリーズで使われているユニット群の出自に由来し、先に書いたように強力なマグネットによりオーバーダンピングに躾けられたそれらのユニット、特にウーファーに於いては顕著になるわけだが、そもそもオーバーダンピングのユニットをパッフルマウントしてバスレフで動作させる事自体に非常に無理があるのである。
ユニットをオーバーダンピングに誂える理由はあくまでもホーンロードを掛けることを前提としたものであり、#43シリーズがそのような設計の箱であることはホームオーディオでの見地からは甚だ間違った設計と言って構わないと思うわけだが、だがしかし、これはそもそもがホームオーディオでの用途など微塵も考えたものではないあくまでもスタジオモニターとしての最良の結果を追求した形であるわけで、その使い方としては重複してくどいようではあるがこれはあくまでも近接した状態での大音量が要求されたそのことに対するJBLの解であったわけで、勿論ここでのJBLに非は全く無い。

問題とされるべきはこのような出自のシステムを家庭に持ち込もうとした人、即ち瀬川先生その人なのである。

.......然し乍らその瀬川先生の音は、それはそれは甘美な至極のものであったと今に伝えられている。

今回評価を試みるK先生のオートグラフは、やはり常にこちら側には思いがけない程の小音量で鳴らされているのであった。
珠玉とも言えるオリジナル オートグラフ、安心して大音量を叶えられるそのオールホーンシステムで敢えて小音量で奏でるその理由がどのようなことにあるのかは、次回へと続けたい。

......

Autograph 構造参考資料

大変複雑な内部構造となっているオートグラフ、手持ちの資料をアップしようかと発掘をしてみましたがこれはキリがありません(´Д` )

自作に挑戦された方が詳しくご説明されているサイトがありましたのでこちらを参考としてください。


http://www.gruppe-iino.com/AUTOGRAPH/index.html

2014年10月25日 (土)

タンノイ オートグラフを評価する,その1

久しぶりの記事になります。
一年余りの放置ご容赦m(_ _)m

......

数年前のこと、全く些細なきっかけで知り合うことが出来た隣町のK先生、たいした事前情報もなく訪れてみたそのリスニングルームに鎮座していたのはなんとも状態の良いタンノイ オートグラフなのでありました。
そしてその音と、更に長年に渡る真摯な取り組みの様子を知った私はそれからK先生のお宅に度々お邪魔することとなり、そしてついに今年になってユニットを非常に状態の良いモニターレッドに換装されて鳴らしこみも完了したとの事、先般その音を聴かせて頂いて、ああこれはもうオートグラフの完成形だよなあと染み染み聴き入ってしまったのです。

そうしてK先生からはそれなら感想文を書けとの宿題を賜り(^^;;自分がこの音を説明しようとしても文字にできないから代わりに書けと、まあそのようなご要望を頂きましたので仕事の合間にちょこちょこ書き帰ってからは一杯やりながらまた書きと、それでこのブログ主の体質ですから書き出したら止まらないやめられない正にかっぱエビセン体質(笑)書いてる内にネタがポンポンとエンドレスに出てきます。

以下はそんな感想文となりますが、なにしろ今となっては手元にロク資料も残っておりませんから本人の記憶のみの記述となっております。

乱筆乱文ご容赦賜りつつ、お好きな人は読んでみてください。

Image

......

1,オールホーンシステムの功罪

オートグラフのウーファー部分、低音域はフロントショートホーンとリアバックロードホーンの二つのホーンにより構成されている。二つのホーンはメカニカルにクロスオーバーされる。
この内フロントショートホーンはユニットの前面、言うまでもなく円形のコーン紙エッジ部分をやや塞ぐ形での方形からスタートするホーンとなっており、ここの始まり部分での僅かなマスキングはローカットフィルターとして機能する。

このような形状のホーンは他の著名なホーンシステムでも見ることができる。すなわちALTEC ボイス オブ ザ シアター A1からA7に至るシリーズであり、またJBL 4550/4560のシリーズなどがある。
この場合のローカットの意義は最低音域をある程度の所でスパッと諦め必要な音域をより遠くまで飛ばすための手法であると言える。即ちこれは本来はPA用途での技術であり、前述のALTEC/JBLシステムが実際に使われる現場の事を考えてみれば容易に理解できるはずである。
これらではエネルギー感としての低音は遠方まで非常に効率的に届くが冷静に聞き分けてみると概ね40Hz以下の超低域成分はスッパリ切り落とされてることがわかる。
この事は一見オーディオ的には疑問視される向きもあろうがPAの現場では必要な事なのであり、ここでの無用な最低域はマイクのハウリングの要因となるし何よりも生演奏の場での音のキレを阻害する要因ともなり得る。

次にもう一方のリアバックロードホーンに目を向けてみる。
オートグラフのような複雑なバックロードホーンに類するものとしてはJBL パラゴン/ハーツフィールド/4520、Vitavox CN191などがあり、この内4520のみはPA用として供されたが他は皆ホームオーディオとしての用途である。
(4520に関しては構造上コスト高である事からPAの現場では大きく広がりを見せることなくフェードアウトして行った)

PA用途としてのホーンシステムの考えはより大きなエネルギーをより遠方まで届けることであることは先に述べた。そのため周波数特性に関してはある程度目をつぶっていたと言うことも同様。
これがホームオーディオとして限定するならば必要以上に最低域をカットする理由は無くなる。勿論ホーンには設計上カットオフ周波数と言うものが存在するため無限に低域を広げることは不可能なわけだが。

このように、オートグラフに於いてはローカットしたフロントショートホーン、自由にカットオフを設定できるバックロードホーン、そしてデュアルコンセントリックユニットそのものの高域ホーンと言う三つのホーンが組み合わされる構造となっている。
これらのホーンによる帯域の分担では、ホーン同士の部分的な重複に起因するものあるいは相互の干渉によって部分部分での位相差の発生は避けられないことであり、この点こそがオートグラフの唯一の克服不可能な弱点であろうと考える。
もっともこの点に関しては、他のシステムではオートグラフが単音源であることに対し複数の音源を持たざるを得ないその構成上から問題はさらに複雑かつ深刻なものとなるわけであり、同軸構造のデュアルコンセントリックユニットを使用するオートグラフこそがこの問題に対する最適な解となり得るわけだが、それでもホーン相互の干渉による問題は残ると言うことである。何もオートグラフだけに問題があるわけではない事は強く記しておく。

次に、かつてのオートグラフ、パラゴン/ハーツフィールド等が輝きを放っていた時代では、世界には他にも様々なホーンシステムが存在していた。そしてそれらは必ずしもオールホーンシステムであるとは限らず、特に低音域に於いてはより簡略的な密閉箱あるいはバスレフ箱も多用されていて高音部のみをホーンが受け持つ形となっている場合も多かった。

ここで、ユーザーの側から両者を分ける時の選択基準はどう言うものであったのだろうか?

この時代、既に各社の強力なユニット群はホームオーディオ用として供されるのと同時にPA用途としても大いに活躍している。
それらに関する資料は残念ながらウエスタン エレクトリック系列のもの以外、特にヨーロッパ各社のものに関してはほとんど残っていないのが現状だが、それでもその当時のそれぞれの現場でこう言ったユニット群が多用されていたであろう事は明らかな事実であろうと思う。

なにしろそもそもの高効率スピーカーの研究/開発は軍用を目的としたものであったから、その技術が民生へと降りさらに家庭に持ち込まれるのは順番としては最後になることは明らかだからだ。
戦後になってから暫くして突如として欧米各国でこのような大掛かりなシステムが登場した背景はそんなところにある。つまり戦時中に既にほとんどの技術的な問題はクリアされていた。それを民生用として形を成すために少しの年月が必要であったと言うことだ。それまでの軍需一辺倒ではほとんと無制限の予算の元で開発を進めることができたのに対し、戦後の体制変更に即応して民需へとスイッチを切り替える際にはそう言った予算面での制約が大きかったであろうことも容易に想像できる。

そうしていよいよ家庭へと持ち込まれたこれらのシステムは当初は懐古的な外装仕上げを纏い、戦後の好景気に沸く戦勝国の富裕層へと徐々に浸透して行く。
この流れは次第に中層階級へもと続いたのだがこの間に恐らく金額的な問題、そしてシステムの大きさと言う問題が発生したことで次第にウーファー箱を簡略化する方向となったようだ。
タンノイで言うところのコーナーヨークからレクタンギュラーヨークへ、そしてⅢ LZへと言うような流れである。

なるほどミリタリースペックそのままを維持しながら家庭用として設えた初期のオールホーンシステムが持つあまりのオーバースペックは民衆の家庭に於いては全くの無用の長物と判断されたのかも知れないし、むしろ効率良く大量生産して廉価な品を発売することはメーカー/購買層両者の理には叶っていた。なにしろタンノイに於けるそれらの廉価品の中に収まるデュプレックスユニットは惜しげも無くオートグラフと全く同じものが使われていたわけだから。

ユニットは同一であり、箱の違いはそう大きな問題ではない、多くの人々はその謳い文句に納得し遥かに廉価となったそれらの品を喜んで買い求めたことであろう。

しかしここで、ほんの僅かな人々だけは少し違った考えを持つようになっていたようだ。それらの品とオートグラフを改めて比較することで彼らはオートグラフだけが持つオールホーンシステムであるが故の危険な香りに今更ながらに気づき、そしてその事でオートグラフに対し益々魅了されて行くことになるのである。

複雑なホーンを捨てた他のシステムが失ったものは、実は余りにも大きなものであったのだと言うことだ。
その危険な香りに気づいた者だけが今も真のデュアルコンセントリックの魔の魅力を堪能していられるわけである。

.........

2013年8月18日 (日)

最後に、関係者の皆様に感謝 m(_ _)m


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2013年8月17日 (土)

おまけは170km/hでバンク上段を走る(@_@)

と言う事で素人のバンク挑戦は終了したわけですが、ここのバンクの設計速度は190km/hであるとの事で、せっかくなのだからとベストカー誌側のお心遣いにより講師陣の運転でその世界を体験させて頂きました。

設計速度が190km/hであると言う事の意味は、そのスピードでバンクを走った時に車は平地のストレートを走るのと同じ状態になると言う事です。
すなわち、
「えー、今170km/hです。この状態でハンドルから手を離すと車は速度に対して釣り合った位置のバンク上を勝手に真っ直ぐ走ります」

.........先生、本当に手を離してるんですけど(@_@)

うえーって驚くのと同時に結構強烈に縦Gが襲いかかって来ますね(@_@)
ひええ、これが噂のバンクの縦Gなのね、えらいもん体験したなあ。離陸時の飛行機のあれだわ。

そしてバンクが終わりストレートへとつながって行く場面では、自分の運転で90km/hで体験したあの嫌な感じがはっきりどう言うものなのか理解できますね。バンク中の縦Gは一気に抜ける感じがします。コース自体は非常に滑らかにバンクからストレートへと繋がっているわけなんですがGの抜け方は一気なように感じます。って言うか実際にはタイヤのグリップ感が全く無くなる(@_@)

これは相当怖いですよ。

「谷田部のバンクも設計速度は同じ190km/hなんですけど、あっちのバンクではこの出口の所で沢山事故が起きてますね」

うへー(´Д` )

バンクと言うものの考え方ですが、先程設計速度で走った時に最上段をステア操作無しでまっすぐ走る事をご説明しました。この事を言い換えるならば、このバンクでは190km/h以上の速度からこのバンクが「コーナー」に変化して行くと言う意味になります。
設計速度が190だから190以上出しちゃいけないって事ではないんですね、そこから上の速度ではステアも操作して大きく曲げる感覚で走ればバンクから飛び出す事は無いと言う理屈になります。

理屈は、ね。

さー、皆さん〜、この「バンク」っちゅーもんの上で190km/h以上の速度域でもって、例え僅かな角度であったとしてもだ、舵角が当たった状態で駆けぬける自信があるって方いらっしゃいますかー?!

.........わたしゃヤだ!! ずえーったい嫌、

つか、ニッポンの一般人の方、国産車にお乗りの普通の市民であればそもそもリミッターが効いちゃう速度域ですから経験のしようも無い世界ではあります。合法的にこれを体験できるのはリミッターカットしたサーキット用の車で富士をあるいは鈴鹿を走るぐらいしか手は無いですからね。
まあ普通ならばもう想像の中の世界ではあるのですが、実際のサーキットではたかが1600ないし1800cc NA のロドスタでもしばしば200km/h超えは可能ですから、ここはまあ筆者もそう言うちゃんとした車で富士を走ったことがあるって事にして下さい、そうじゃないと話が進まないので(^^;;

で、まあ、その190km/hオーバーコーナリングってものがいったいどう言う世界なのか?(@_@)

これ、先に言っちゃいますけど車とコースがちゃんとしていれば、少なくとも高速道路でゆっくりとレーンチェンジする程度でしたらきちんと集中して操作してやればさほど身の危険を感じるような事は無いです。現代のレース屋さんのレベルって相当すごい事になってますからこんな程度の速度域で破綻する事は無い?

ただね、噂に聞くそのバンク出口でのノーコントロール状態➡クラッシュして即死レベルの事故? これって300km/hとかの速度域であるような話も伝え聞いておりますから筆者レベルでは想像を絶する世界である事は確かです。
そしてバンクを実際に体験した後ではその単純な何キロと言うスピードにあのバンクでの強烈な縦Gが加わったらどうなるのか?って部分を多少なりとも想像できるわけで。要するに、例え直線で300km/hを楽にマーク出来る車であったとしてもあの縦Gが加わった時にその車のサスは、あるいはボディは耐える事が出来るのか?

これ相当にヤバイ気がします。
通常その速度域まで持って行くとなれば所謂空力部分の手当もしっかり行う必要がありますよね? 今時でしたらネットで入手できるような品でもきちんとダウンフォースがかかる物だってある。そんな品にこの強烈な縦Gが加わった時にどうなるのか?
仮にバンクを無事にクリアしたとしましょう、ではその先のバンク出口での急激なGの変化に対しその空力パーツはきちんと、ドライバーが無事に家族の元へ帰れるような仕事をしてくれるのかどうか?

いやこれは相当に厳しいと思いますよ。もう本気のレースカーの世界に居る人たちに任せるべきものなんだろなと、いやほんの短時間の経験だったんですけど、冷静にビビりました((((;゚Д゚)))))))

2013年8月16日 (金)

ラスト、高速周回路!!

さてとこの日のメニューもいよいよ最後のひとつとなりました。

本日のある意味メイン、素人はまず走れる機会なんかあるわけがない高速オーバル周回路を走ります。もちろんコーナー部分はあのよじ登るのだけでも大変だったえげつない角度のバンクになっております(@_@)

用意された車は、まずゴルフ 7 、アテンザの例のディーゼル、そしてベルファイヤ(・_・;
いずれもPRIMACY 3 を履いた車で高速安定性をテストすると言うもの。
でもね、もちろん仕掛けはされてあります。ストレート区間に設けられたシケインを110km/hで通過せよ、と。うへえ(´Д` )

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写真は I さんのFB から拝借、自分で撮影してる余裕無かった。

最初はアテンザのディーゼルからです。へっ、私が最初ですか?あーはいはい。
って事で走り出す。スタートしてすぐにいきなりバンク突入、えーっとここは90km/hで通過せよと、はいはい。このスピードだと怖さはそんなに無いですけど周りの風景の違和感は非常に大きいですね。自分が乗ってる車があり得ない角度になってますもんねー。

んでバンクが終わってストレート区間へ。この切り替わり部分がなんか生理的にえらいまた違和感があります。さてストレートは110km/hまで加速し、少しするとパイロンが見えてきます。ここをこの速度のままでレーンチェンジするわけね。
って、実際近づいてみたらパイロンの幅けっこう狭いですよー(@_@) これだとかなりがってステア切らないとクリア出来なそうなんですけど今の時速は110km/h!!
もちろんブレーキ禁止アクセルオフってもダメーなんだそうで。

ひええ〜(@_@)

プレッシャーの要因は他にもありまして、この周回路でのテストは一台の車に受講者が4人乗って順番に運転を代わる方式なんですね。つまり間違っても事故やらスピンやらのヘボは厳禁。
自分は全く知らない車、全く(高速域での)挙動を確認出来ていないタイヤ、その上で実際のテストコースのパイロンの幅は決して素人向けに緩くしておきましたーって感じでも無いんです。まあ本当のプロが試す時よりは多少の手心を加えてくれてるとは思うんですがそれにしても素人フレンドリーとは言えないでしょ?状態であるわけだ(´Д` )

あともうひとつ、今回のテスト全般に言える事なんですが、コーナリングなりスラロームなり、入る前にブレーキで減速して荷重移動させる事が禁じられているのです。更にパイロンスラロームでは許されたアクセルによるコントロールもこのレーンチェンジでは禁止。アクセル開度は一定に保ったままステアのみでクリアしろと言う指示なんであります。
走ってる人ならこの怖さの意味はわかってもらえるはず(´Д` )

ってまあ例によってぐだぐだ言ってますけど例によってパイロンはどんどん近づいて来る、と。
まあ行ってみましょう、感覚的にはカートでしょ、これ? おりゃ!

うわ舵の効きがいいわ。反応が速い! すんげえパイロンに寄った気がする(・_・;
これでお釣りが来ないアテンザも立派なもんだ。つかアテンザの鼻が動き過ぎ? そーかこれマツダ車だったね(^^;;

4人が順にトライした後は車を変え、今度はゴルフ 7 で同じ事を繰り返します。テスト車は1.2ターボの方だったようですが4人乗車でもそこそこ加速しますね。操縦性、高速安定性、乗り心地いずれも気になる部分は無し。これはアテンザも同様。
さて問題のレーンチェンジです。
さっきと同じようにステアを入れてみると?
あ、やっぱこっちの方がちょい遅れる、って言うかゴルフの方がナチュラルなんでしょう。これの方がオトナな感じの動きですね。アテンザはちょっと子供っぽいかも。

で、問題なくゴルフも終了し最後に待ってるのはベルファイヤと来たもんだ(^^;;
うっひゃあーこのデカイのであれやるの?(@_@)
さすがにおっかなびっくりのトライでしたが特に問題は無し。ふーん。

ここでひとつ、これは後で解説して頂いたんですがミシュランにはミニバン用のタイヤってのは特に無いんですね。1300kgのゴルフから2000kgのミニバンまで同じPRIMACYで対応できるのだそう。全方位的に性能を出しナチュラルな特性を作るのが得意なミシュランではそうやって基本特性をしっかりさせておけばひとつのタイヤで対応できると言う自信があるようですね。
部分的に突出した味付けに走りたがる国内メーカーとは根本部分での考え方が違ってるようです。これに近い事やってるのはヨコハマのブルーアースA ぐらいなんじゃないでしょうか?

ただ、いずれの銘柄もロドスタのような小型車用のサイズが用意されていないってのが一番の問題なんですけどね(´Д` )


2013年8月14日 (水)

ロング・パイロンスラローム

続きましては同じマーク X を使って4本+4本のロング・パイロンスラロームです。
前半の4本がドライで後半の4本は散水路、これを50km/hないし55km/hでトライするのですが、後半のウェット部分も減速せずに同じリズムで突っ込んで行きなさいと言う無茶な指示が出ております(@_@)

まあ例によって先生のお手本は見せてもらえるわけなんですけど、いややっぱどう考えたってこれは車とかタイヤの能力によるものではないでしょう。腕だってば、腕(´Д` )

先生のドライビングでマーク X は50km/hをキープしたままぎゅんぎゅんとパイロンをクリアして行きます。この時ブレーキは使っちゃダメ、アクセルとステアのみの操作で行けと、ただしラインだけは教えてくれました。曰くクリップは目一杯深く、パイロンのほとんど裏側にクリップ取る感じにするときれいに曲がれるとの事。なーるほど。
ま、考えてみればこれってスキーのスラロームと一緒だもんねえ。言われるまでちっとも気がつかなかった(^^;;

んで問題のウェットに突入、一瞬、グリップの方向が切り替わるほんの一瞬だけ空走感があったもののタイヤは素早くグリップを取り戻しぎゅいぎゅい曲がって行きます。
いやー、だからさ、これは先生の、

あーはいはい、行きますとも行きますとも。

でも人間ってさー、学習する生き物なわけでしょ? 過去の経験からこれはヤバイ無理って場面では自動的に抑制するようになってるんですけどねえ。

とかぶつぶつ言いながらも順番が回って来たのでスタートします。50km/hをメーターで確認するのがちょっと大変。まあ例によってオーバースピードだった気がするなあ。ラインについては確かにスキーだと思えばなんて事はないですな、同じような感じでリズム良くパイロンをクリアして、さてとウェットだ。
もちろん言われた通りに行きますよー、ほりゃ!

案の定一発目の切り返しでふわっと空走感、この感覚の後に待っているものは普通だったらスピンかドリフトアウトか(´Д` ) いつ味わっても嫌な感覚です。
で、車は逆方向にロールして行き、それとほぼ同時にがっという感じでグリップ感が出た!もちろんそこからはきれいに曲がって行きますね。
あれー、本当に先生がやったのと同じ挙動になるんだねー。

二本め、例によってまたPRIMACY 3 を履いたマーク X に乗り換え、実は一本目の LC の時は挙動の方に集中してましたからパイロン区間に入ってからのスピードはあまり気にしてませんでした。
せっかくだから今度はがっちりスピードも合わせて行ってみますかねー。ええもちろん、今度は55km/hだよね、わかってますともきっちりこれでスラロームしてみましょ。

って事でトライ開始。うん、入りのスピードはほぼぴったり、おーっしそのまま行くよー!
うひゃー、ドライでもこのスピードだと本気で行かないと曲げられないしラインへぼったらアウトだね。そのままウェット区間に突入〜、うおーこれは結構シビレるトライですよー(@_@)

うおう! 最初の切り返しから既にこの 3 の方は手応えがしっかりしてます。これだとかなりタイヤを信用した踏み方できますね。よしよしスピード落とさないようにしてライン作って、うう頑張れオレ!
んで最終パイロン通過、さてスピードは? あ、くっそー50km/h かあ(´Д` )

結果、本人的にはやや残念な状態でトライ終了、しかし冷静に見てみるならば尋常じゃないハイスピードスラロームなんですよね(・_・; ロドスタに205の R1R 履いて頑張ってもやっとなんとか再現できるかな?レベルでしょう。こりゃ相当厳しいです。

2013年8月12日 (月)

ベルジャン路&不正路

続いてのテストは波打った石畳路面、所謂ベルジャン路と、路面に丸石を埋め込んで作っている不正路を走ります。

車は再度マーク X を使います。

最初のベルジャンの方は、これは相当派手に一枚ずつの石畳の角度を変えたり落とし込んだりしていて、正直自分の車だったら通るの嫌なレベルですね。特にサーキット仕様の脚になってるロドスタでは車が壊れるか人間の背骨が折れるか?ってな感じですよこれ(@_@)

んではまずはベルジャンの方から行ってみますかね。
ここで使われている石畳はおおよそ60cm x 30cm ぐらい厚みも結構ありそう10cm ぐらいかな?isidaさんがコメント下さってますがここ、これだけまともに作られてるコースですからそんな本物のベルギー製の石畳を使ってる可能性も無くはなさそう?

まあなんせ表面もなんか加工してあってちゃんとした石?なんですが如何せん、いくらテスト用だって言ったってこの並べ方は無いでしょ?ってぐらいの凄まじさでした(´Д` )

まー、よそ様の車ですから?って言っても車が可哀想なレベルなんですけど。
って、ええ、もちろん走りますけどね。ほれ行けマーク X ! って言ってもまあせいぜい30km/hぐらい?
コースの方は少しラインを変えると凸凹具合が違うようになっていて更に隣にはトラックのトレッドに合わせたコースも。えいどうせだから一番酷い所行ってみますか(^^;;
せーえの、がごごごががごごごごごごごご、ひええーほんとサス大丈夫なの?って感じなんですがマーク X 君、しらっとして走り続けますね。へえ良く動く脚だねえ。途中さらに大きめなくぼみと盛り上がり! ごっ!!っと派手な音させて通過しましたが、ふーんボディの方は特に嫌な音も出ないですねえ。へー(@_@)

この路面だとサスのストロークは使い切っちゃいますね。タイヤもそうだけど車の方のサスの出来を確認するのに良さそうな感じです。

これを抜けるとすかさず今度はフラット路面に丸みのある5~10cmぐらいの様々な形の自然石を半分埋め込んであるコース。こちらも埋め方を変化させて三種類のコースを選択できるようになってます。

せーえのっと。ごごごごごごごごごごご、えいついでだ途中でコース変えてみるか、ぐごごごごごご、ふーん。
これはつまりストローク量は変わらずリズムが変化する場面ですね。こう言う路面の場合、実は速度をむしろ上げて走る事で振動を軽減できる場合があります。概ね45km/h前後が美味しいポイントです。これはサスが振動する周波数とボディ側の揺れの周波数を意図的にずらす事で得られる裏技で、大昔に某師匠から教わった技ですが、今回のコースは短くて試すまでは至らず。

と言う事で二種類の路面をまずPRIMACY LC で試し、続けてPRIMACY 3 で違いを感じ取れるか?という場面になります。車はもちろん同じマーク X ね。

で、結果はと言うと、違いは乗り心地に少しだけ出ますね。LC の方がいくらか柔らかい。これはこちらの方がタイヤのケース剛性を柔らかくしてある事によるとの事です。ケース剛性を変える事でこちらはより乗り心地を重視した特性に、一方の 3 ではケース剛性を上げ、乗り心地は若干硬くなるものの横方向のグリップを上げてコントロール性向上に注力した設定と言えます。

とは言え 3 の乗り心地だって我慢できないとかそんなひどいもんじゃないですよ。私らスポーツラジアルばっか使ってる人間からしたら天国のような乗り心地である事に変わりはないですから(^^;;

ちなみにミシュランってヨーロッパのタイヤだよね、それだとそもそも硬いんでしょ?日本のタイヤとは全然違うでしょ?とお思いの方、何期の入った車好きの方でしたらその辺の経験もお持ちの場合もあるでしょうが現代のミシュランは十分にフレンドリーであり、実際に走った感じでは国産品以上に柔らかく感じられる場合すらあります。その上でハンドリング、と言うかコントロール性ですね、これは図抜けていると思いますね。

国産品でここまでのレベルってのは筆者は経験した事無いです。
ここは是非ヨコハマのブルーアース A を試して比較してみたい所なんですが残念ながら機会がない(´Д` )

2013年8月11日 (日)

お昼休み、ようやく一服(*_*)

ここまでで午前中のメニューが終了。
受講生の皆さんが真剣に頑張ってるせいで予定押しまくってます(^^;;

まずは真っ先に喫煙者隔離部屋へと駆け込みニコチン補充、これが無いとパワー出ないタイプなのよ(^^;;
しっかしこれだけ集中してメニューをこなしていると疲れ方ハンパじゃないです。こんなのを毎日のようにやっているプロの方って凄いんだなと実感した日でもありましたね。
あー、自分がこう言う方向の職業じゃなくて本当に良かった(^^;;

一服して落ち着いてから集合場所に戻ったら、ベストカー誌の方々がカレーのお昼を用意して下さってました。こう言う所の気配りもさすがです。カレーも美味しかったですし。
ただし、
その食事中にグラリと大きな地震が(@_@)
そうなんですよね、ここってあの大地震の震源地からさほど遠くない場所ですし、余震も続いてる所なんですよね。

びっくりして皆で震源地どこだ?とか震度はー?なんてやってたら、進行が遅れ気味と言う事で食べ終わらない内に午後のメニュー始めますよーのアナウンスが。ちょっと待ってと残りをかき込んで、おっしまた元気が出た! 午後も頑張るよー(^-^)/

2013年8月10日 (土)

ウェット路面、50km/hコーナリング

アタマ痛くなってきたので次に進みましょう(´Д` )

テストコースでの二番目のメニューは、散水されたウェット路面に 15R 程度の半円コースを作り 50km/h で進入、進入後はアクセルオフ、スロットルも触っちゃダメ、ステアのみで曲がって下さいーと言うもの。

これも最初に先生が運転する車に同乗してお手本を見せてもらったんですけど、まあ常識的にはワシらには無理ぽ(´Д` )ってな状況ですねえ。もしこれがサーキットなんだったら迷わず進入速度を 10km/h 落とし、アクセルオンで曲げて行く事を選択すると思います。

まあでもやれと仰るんだからやりますけどね(´Д` )

と言う事で一本目。タイヤはまず LC の方から。使う車は二台のゴルフ 7 です。

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車好きオヤジなら本来はここで最新のゴルフに乗れる事を喜ぶ場面なんですがそっちにまで気を回す余裕無し、車よりも操作とタイヤの挙動に神経を集中させる必要があるんですよ。

んでは行きますか。
例によって車の方の情報はなーんにも頭に入っておりません。まあさすがにFFってのは確実でしょ?程度で(^^;;ほいスタート!

うーん出足はちょっとタルいかなあ、途中からちょっと元気になって来た?ああそうかこいつはダウンサイジングターボのヤツか。
ってうわあもう進入地点のパイロンだよお、あそこで 50km/h にしなくちゃだよね?センターの数字の方の速度で読んでたらうわー調整し辛らっ!
55 出てた気がするけどまあいいか、言われた通りに行くよー、おりゃ!!

ふーん、切り始めはちゃんと反応します。クッって曲がり始めました。が、しかしこの速度ではやはり無理。ラインはすいーっと膨らんで行き、速度の低下と共になんとかコース内に収まる感じでゴール地点へ。いややっぱり無理でしょ?(´Д` )

二本目は同じゴルフ 7 にPRIMACY 3 を履いた方で続けてトライします。うーん今度はすこしはこの最新ゴルフの挙動もチェックしなくちゃね。なんかやたら評判いいんだよねこれ。

おーっし二本目ー!

「あ、こっちのは 55km/h で入って下さいねー。続けてステアとか全く同じ状態を維持して三本目も走ってもらいますー」

げげっ、マジですか? 余計な事考える余裕無くなっちゃったよー(@_@)

まあいいか、ほれ行け!
今回もんぎゃあーって感じで加速して相変わらず反応が遅い数字のスピードメーターにイラつきつつパイロン突入、おしっ、今度はジャスト 55km/h だろう。すかさずステアいれてアクセルオフ、.........ん? 曲がりの反応がちょい早い?なんか左パイロン(マーキング)が近い感じ。はて?.........と思う間もなくやはり車はどんどんアウト側へ膨らんで行く。これステアこじっちゃダメなんだよね?素直にゴルフ君に任せましょうかねー、あらっ?スライドが止まった! おろろ、狙ったラインに戻ってくよ!?
そのままなんか余裕でゴール、はて?

挙動を理解できないまま続けて三本目スタート。おっかしいな、オレなんかやっちゃったっけなあ? 無意識でなんか余計な事やったのかなあ?

三本目、さらに神経を集中してステアを入れる。おーうやっぱりこっちの 3 の方がステアの入りが全然イイんじゃん! インに寄り過ぎてマーカー蹴っちゃったよスタッフさんごめんねー。続けてさっきの挙動をじっくり確認、ほらやっぱスライドしても途中でグリップが戻ってるよ。
うわー、これでステアこじるかアクセル入れるかすればもっとちゃんとライン取れるよ!?
このRで 55km/h で曲げるのってサーキットの感覚で見ても相当大変な話なんだよ?

なんだこのタイヤ!?

その後自宅でイベント後におみやで頂いた手提げ袋を確認してみたらこのゴルフ7のカタログも入ってましたよー。


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ふーんなるほどねーって事で今、ビール呑みつつ眺めてる所なんですけど、.........ふーん。

なんかもう車なんかコレでイイんじゃん?って感じですね。ひと言で言うならば「最新最大公約数」しかも「世界的最先端」でもあると言う。

ふうーん。

アホな車仕入れて有り金はたいて修理してるようだったら最初からこれ買ってた方がよっぽど平和でしょうなあ。たぶんそんな程度の金額で買えるでしょ、コレ。
ちょっとアタマ冷やして考え直しなさいよ、てのはいつものこのゴルフと言う車の存在意義でもあるわけなんでして(笑)

初代のジュジャーロ デザインのもの以来、いつの世でも常にとっても冷静なクルマですよねぇ。

2013年8月 9日 (金)

タイヤの角にアタマぶつけて考えてみる

ミシュランタイヤの特性は、全ての角が丸みを帯びています。タイヤの形の事じゃないですよ? タイヤが持つあらゆる特性の限界部分、それが全て一気にブレークするのはなく、本来の限界の少し手前から徐々になだらかに限界に向かって行く事でドライバーに対し警告を与えるわけですよ。そろそろヤバイよと。

この部分、ほとんどのメーカー品はスパッと一気に限界が来るような特性になっていると思います。この場合のドライバーはおっかなびっくりで限界を探りながら走るか、あるいはサーキットなどでは数走る事でパターン化して身体に覚えこませて走る事になります。このコーナーでこのスピードならここまで踏める、そう言うパターンをいくつも脳内に蓄積し、状況によって似たようなパターンを引き出して対応するわけですよ。なのでこれを「引出し」なんて言い方する事もありますね。

引出しの数は鍛錬する事で増やして行く事ができます。サーキットで速い人たちのほとんどはこの引出しをたくさん持っている人である場合が多いと思います。

とまあ、こんなあたりがここの筆者がサーキットを走るようになってから得られた答であるわけなんですが、ここでなんでこんな話を始めるのかと言いますとね、筆者の場合もサーキット以前、ひとりお山で走りつつ日々悩み自分なりのトライを繰り返しながらいくばくかのその引出しを持てたような気がしている所に違う銘柄のタイヤに履き替えてその引出しを試してみるともう答が違ってて、なんて事を繰り返していたのです。筆者程度のスキルではタイヤの少しの特性の違いにさえ対処するのには多くの時間を要する、それが現実でありました。

その後しばらくして娘もお山を走るようになり、もうオヤジの力では対処できない、オヤジは娘を守ってやれない?そんな現実を目の当たりにする事で親子でのサーキットデビューとなったわけです。

大事な娘が大好きな車で死なないようにするには二人ともスキルを上げて行くしか無いだろうと。それにはサーキットできちんと速い人達から学んで行けばいい、そう考えたわけです。

結果的にこの作戦は幸いにして上手く行ったと思います。オヤジも娘も非常に多くの事をサーキットから学ぶ事ができましたからね。とりあえずまだ二人とも生きてるし(^^;;

ただ、これを普通の車好き全てに求めるのはちょっと無理があるわけで、だけどそんな筆者の経験にかなり近い事を単にタイヤの銘柄を変える事だけで得られるかも知れないと言ったらどうします?
そんなの現実にあるわけがない?

実はこれこそがミシュランタイヤをお勧めする理由なんです。
もちろん筆者だって実際に履いてみるまでは理解できなかったですよ? 筆者が最初にミシュランタイヤに出会ったのは MXV 2 たったかな? そこから色々な車種で5回履いたはずです。その間に色々と考え感じた事がサーキット時代のハイグリップ一辺倒生活を経て今たまたまこの進化した PRIMACY 3 と言うタイヤを試す事で全てが納得出来たように思うんですね。

このタイヤはあなたのスキルを高めてくれる大きな力を秘めていますよ。

2013年8月 8日 (木)

二本目、PRIMACY 3 もまた凄かった!

続けてすぐ二本目に突入します。今度はシルバーのマークX 同タイプ。

最初の黒いマークX は PRIMACY LC ってのを履いてまして、これは現行品のコンフォートタイプのタイヤですね。トレッドパターンの様子やコンセプトからすると、筆者が好きなタイヤだった MXV の延長戦上にあるのかな?って感じです。

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この MXV シリーズって、絶対的なグリップは大した事ないけど恐ろしくコントロール性に優れているので限界付近を使って自由にスライドコントロールするためのとっても良いお勉強タイヤだったんですよねー。

そして次はいよいよ最新の PRIMACY 3 を試せるわけですよ。おー楽しみだぞと(^-^)/

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では二本目始めますか。
念のためスタート地点までの車のチェックは同じように繰り返します。と、あら?こっちの車ブレーキ甘いわ。踏み始めに無反応ゾーンがある。うーんと、1cmぐらいかな? こりゃブレーキのタイミング少し早めないとマズいかも(・_・;

まあとりあえず行ってみますか、ほい二本目のスラロームスタート〜!!

うほほ、こっちのも直進だけで既にリアが空転してます。いや本当に雪道だよこりゃ。まー二回目なんだから少しはマシに曲がんなくちゃねと(^^;; ほれ一個目のパイロン〜、おろっ? ステアがしっかり効いてる! おまけにリアがブレークするような雰囲気も無く? へー、ステアとリアのトラクションが一致してるよ? って事は、わははははは! こりゃ完璧なドリ車でしょう。このままどうにでもできるじゃん!

.........と、ここで喜んで脳内「お猿スイッチ」が入っちゃうとマズい事になるのでちょっと冷静になって(^^;; いやーしかしステア切ったままアクセル踏み込んでもスパッとリアが出る感じでは無いですね。徐々にリニアに滑り出す感じ。かと言ってプッシュアンダーでフロントが逃げる様子も無し。

うわー、自分の手足で路面に触ってるようだ。これは気持ちいいわ(^-^)/

そのまま喜びまくりつつ、スラロームのゴールパイロンが見えたのでここでもうひとつ試しておく。なるべくトラクションかかるようにしてアクセルオン出来るだけ加速、直後にフルブレーキング。おおー全然止まんないぞー、これだけの出来の良いABSがしっかり作動してるのに全然止まんないわ。やはり0.2μはダテじゃあないな。

続けて障害物回避の二本目。繰り返しますがこっちの路面は0.5μね。

最初のトライで様子は掴めましたので今回は特に何も考えずにスタートします。全開加速してー、ただしこっちの車はブレーキが少し気になってたのでブレーキングポイントはちょっと迷った。ちょい早めにしないとクリアできないかな? とか思ったんだけどそこはもう感覚に任せます。んでこちらのタイヤでもまたぐわっと減速してー、ぎゅわっと曲がってー、はい終了。

うーん、ストッピングパワーとしては双方の違いはそんなに無いかも知れないですね。どっちも充分、と言うかどっちも凄いレベルなんじゃないのかなあ。
後でコニリオの I さんが感想を述べられてたんですけど、これだったら雨のサーキットで使えるんじゃないの? ってご意見に賛同したい感じ。R1R と比べてみると面白いかもです。

ここまでで最初のメニューである「雪道相当路面でのパイロンスラローム」と「雨相当の路面でのブレーキングと障害物回避」が終了。

結論として二種のタイヤの違いを評価すると、まずタテ方向のウェットグリップつまり加速時の蹴りだし感と減速時のブレーキの効き、これは大きな差は無いと思います。ブレーキングに関しては恐らくR1R に近いレベルでしょうから世の中のタイヤ全ての中でもトップクラスになるでしょうね。加速時のトラクションはR1R よりは明らかに弱いかも。
ただ、これコンフォートタイヤですからね。決してスポーツラジアルってわけでは無いんですよ?って所はしつこく言っておいた方が良いかも知れません。ここの筆者が比較できる対象ってスポーツラジアルかSタイヤしか無いですから、ひょっとすると誤解を生むかも?(笑)

で、このふたつのタイヤの大きな差異はヨコ方向のグリップにあります。

FR 車でロングホイールベースとかなりの重量、そしてそこそこのパワーを備えるマークX と言う車でこのようなテストを行なった場合、(とりあえずブレーキの事は既に書いたのでそれ以外の部分として)滑り易い路面で問題になるのはまずステアがちゃんと効くかどうかと言う点とパワーかけた時のリアのスライドですね。
ここの部分で大きな差が出ていました。


2013年8月 7日 (水)

その3、あたしの番だよ(@_@)

と言う事で容赦も無く順番が回ってまいりまして(´Д` )ついに筆者の出番となってしまいましたよ。ひーん。

「オラオラ覚悟決めてさっさと出てけやー!!」

.........なんて事にはもちろんなってないです。なんたって講師陣はお優しい斎藤さんとお美しい裕子姉さんなんですから(^^;;
へえへえ行きますとも行きますとも。そのためにここまでえっちら出かけて来たんですからね。

さてと、車はマークX ですか。ふーん。
ここの筆者的には当然のごとく、未だかつて触った事すら無い車ですねえ。我が家から(動く)4シーター以上の車が無くなってから幾星霜、つかまともな屋根が付いてる車も無いですし(^^;;
まー、
とりあえずデカいって事だけは頭に入れとかなくちゃね。FRだって事は事前に確認済み、幅はまあM100エランと変わらんだろう。パワーはまあそれなりだろうとして、あ、当然ABSだよね?TCSもあるのかな? あ、それはスイッチで切ってある?あーそうですか。
アクセルは当然電制だよなあ、どう言う設定なんだろう? 雪道相当の路面だとなるとエア圧も気になるなあ。

まーしかしこんだけわかんない事だらけなんだから開き直るしかないよね。
あ、そう言えばAT車に乗るのも久しぶりだった。左足ブレーキまだ上手く使えるかなあ?

なんてあたりを脳内で素早くチェックしながら車に乗り込みます。
あははは! いきなり電動シートの操作がわからん!(笑)すんません先生、教えてくださいー(^^;;
って事でサーキットモードのポジションに調整し、んでは行きますか。先生、スタート前にちょっとブレーキ踏ませてね。シフターはDのままでいいや、そこまで構ってる余裕なさそうだし。

んじゃ行くよー、ほい全開加速っと。ふーんまあまあいい感じなんじゃない? んでソク左足で短く強いブレーキングを試す。およ、けっこうカックンぎみだねえ。効き自体は悪くないみたいだぞと。そんなんでスタート地点のパイロンに到着。はい?すぐ行けと、はいはい〜(^-^)/

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さてと係数0.2μのこっちの路面はよく思い出してみたら速度の指定は無かったですね。50km/hはちょっと出せないもの。なのでそこそこの加速で様子見ながらスタート。およよ?既にリアが空転してますな。えらい簡単に滑るなあ、雪道相当ってのマジみたいだなあ。そのままステア切ってみると? あははそのまんまドリフトモードだよー(笑)うーん、やっぱドリフトすんならマーク2でしょう、あ、これはマークX か(^^;;

........いやいや笑ってる場合じゃあないな、パイロンをクリアしてちゃんとスラロームしなくちゃね。
うーん。
ひでえなこりゃ、タコりながらパイロンスラロームしてるわ(´Д` )
パイロンの数は5個ぐらいしか無いのでこれは悩む間もなくあっさり終了。そこからUターンして次のスタート地点で一旦停止します。

さあ問題のフルブレーキング障害物回避だよー(@_@)

と、ここでこの時点でのオヤジの心理状態を解説しておきましょう。え? いらんって? はよ先進め?
まあまあちょっと付き合って下さいよお〜。

まず車に乗り込んだ時点で最低限の情報はインプットしました。そしてシートに座った所で自分目線からの車体感覚をざっと掴んでおきます。続いてスタート地点までの短い距離ではありますが走り出してからは一秒たりとも無駄にする事無く、まず全開加速を試す、その時のアクセルのツキ、ペダルの遊びとか機械的な状態の確認、同じようにしてブレーキに関しても試せる事は試しておきます。あとステアの様子も。

そうやって前出のスラロームではメインとなる滑り具合を感じ取りつつこれら事前にチェックした部分を実際の感覚と摺り合わせると言う作業を並行して行なっています。
まあこの辺は、多少なりともサーキットで走ってる人であれば自然にこなせる部分ですね。
そしてここから先が最もそれぞれの個性が出て来る部分。
すなわち心構え、心理的な部分をどうやって構築するのか?

ここではまず「慣れ」と言う要素がある程度必要になります。それぞれのなにがしかの経験をベースとすることで「冷静になる事」、かつ「おっしゃ行くかあ !」と言う気になれる事も大事。そこからは脳内の情報と実際の車の動きを感じ取る事によって、車の能力、現場の状況、それに対しドライバーが正確にアジャストして行けば良いわけです。
ま、言葉にしてみれば至極単純な事です。

要はその状況の中で自分が出来る事を全てやりつくす、Do The BEST それだけです。

そんなわけで、次のスタート地点での筆者の心理状況は既に一変してるわけですよ。最初のプロの方の運転を見させて頂いた時の驚きとあー無理ぽ(´Д` )って話はどこへやら?

では、本気で行きますよ。


Img_1091

スタッフの方の指示を待って、おしっ、ガチの全開スタートうおぉりゃー、加速区間は30M? 40M? こちらの路面の係数はウェットの0.5ミューですがしっかりとトラクションが掛かっています。なんだよマークX イイじゃんとまず感心した瞬間です、ええ瞬間。既に前方のブレーキポイントである緑パイロンがどんどん迫って来てますからきっちりそこまで全開で行けるように強く意識して右足を踏みつけたままにする必要があります。怖いとか思っちゃうと自然に力を緩めちゃいますからね。

さて本当に踏みっぱなしのまま緑パイロンが鼻先に来た、!!! 左足ブレーキで文字通りブレーキペダルを蹴飛ばすと同時に右足のスロットルは全閉、うおっ! 効きはじめからもう予想以上に減速しようとしてるぞ !! 直後にABS が介入し左足に伝わるズゴゴゴゴゴゴ、すげーさらにぎゅわっと減速した!! しかもゴゴゴは一定リズムじゃないんだわ。ステア真っ直ぐ状態での ゴ の数はたぶん八回? それが全部リズム違ってます。この間どう考えたって1秒無いですよ?1秒以下の時間内に八回センサー信号が入り、それを計算してブレーキ系にフィードバックさせてるわけ? なんか物凄い事になってますよ?(@_@)
って、その時の目の前の障害物マーク(実際には半球のゴム製マーキング)はもーちょいでボンネットに隠れてしまいそうなぐらいすぐ近くに来てますな。

まあここはびっくりしてる暇も無いですからやる事やりましょうか。

左足フルロックで蹴飛ばしたブレーキはそのまま、先生の指導を守って意識的に蹴り続けABSが効きっぱなしになるようにしておいてそのままステアを操作、おおおー、ステアに反応して鼻先がスッと左向いたよすげーよ!! その後は左端の障害物マーキングを冷静に目で捉え右フロントタイヤがタイヤ一本分の余裕を残して通過できるように操作、曲がり始めてからも明らかに速度は落ち続けていましたから問題なくクリア出来ると判断した時点でブレーキは自然にリリース、そのまま車はまるで事も無くと言った様子で無事にゴール地点へと到着いたしました。

うはー、すげえ。

いや自分の腕じゃないよ?
車が、このマークX がすげえなと感心しました。
ここでこのオヤジがやった事と言えばただ先生の指示通りに全開加速しフルブレーキングしステアを操作しただけ。それだけで車は先生のお手本通りの挙動を示し、恐らく完璧に動きを再現出来てたんじゃないですかね。それがどんなにすごい事なのかってわかります?
言われたとおりどれだけ正確な操作をしたとしても車がそれについて来てくれなくちゃこう言う真似は絶対に出来ないんです。
このマークX って車の完成度って、相当なもんですよ?

あとこの障害物回避メニューを、例えば自分のロドスタでやれと言われても無理。いやお前のはサーキットも走ってるきちっと作ってある車だろ?と思われるでしょうが、ABS無しのあの車で同じ速度でこれをやるのは無理でしょうね。少なくともステア切った状態で減速するなんて真似は筆者には無理です。いやいや、現代のきちんと進化したABSのデキの良さに本当に驚いた次第。

いやこれだけ確認できただけでも来た甲斐があったかも(^^;;

2013年8月 5日 (月)

レポートその2

バンク最上段から昨日の続きをお送りいたします(笑)

いやーこれ、歩いて登るのだけでも相当に大変ですよ?
本当にこんなとこを車が走るんですか? ってえ部分がリアルな絵としては全く想像できないぐらいの物凄さ。要するに巨大な土管を1/4にカットして並べた状態なんですよね。

つかこれどうやって舗装したんですか?( Д) ゚ ゚

.........そのお答は講師の斉藤さんから教えていただきました。曰く、
「これ真っ直ぐ行ったらロードローラーが走れるわけないですよね?」
「なのでこの場合は横に少しずつ舗装するんです。ロードローラーが下から登って行く感じで。」
「もちろん上の方は急過ぎて登れなくなりますからワイヤー掛けて引っ張り上げてやると。」

へーなるほどねー。ってかそれも十分にとんでもない作業だと思うんですけど(・_・;

あと例の大地震の話。
ここは福島県のいわき市と言う事で震源にもかなり近かったわけですからやはり相当な被害を受けたようです。また地震だけに止まらず福島原発からも近い位置であると言う事もあって諸々の騒ぎがある程度落ち着いてからの修復となったようですが、施設の中のひとつ、巨大なサークル全体に特殊路面と散水機能を備えた「スキッドパッド」だけは地震によってメチャメチャに壊れ現在も未修復なままなのだそうで、いや残念それってこう言ったテストコースの白眉たる存在なわけですから試せないのは本当に残念っ!

ただし後でその現場を実際に見てみたらこれはもう十分に納得させられました。なにしろサークル内ありとあらゆる路面全体がガッタガタに隆起陥没して滅茶苦茶になってましたね。

このリングがある場所は小高い山に囲まれた場所ですからコースを建設する際には山を削ったり谷を埋めたりって作業が当然あったものと思われますから地盤としてはそんなには強くない? って言うかそれなら今綺麗になっている周回路とかの修復はどれだけ大変だったのだろうと。
思わぬ場面であの時の地震の凄さをまた思い知らされた感じでした。

ご丁寧に、丁度昼食どきにはまた宮城で大きな地震がありましたし( ;´Д`)

現地の今の様子をさらっと見るだけではなかなか実感が湧かないぐらい奇麗に見える Ai-Ring なんですけどこう言った陰の部分ってのも知っておく必要はあるかと思います。

と言う事で、ちょっと気を取り直して先に進みましょう。
読者の方をあんまり焦らしても申し訳ないですしね(笑)

それでは本当のテスト開始〜(^-^)/

.........ってね、実はこの辺まではまだ緊張しつつも割とのんびりした感じだったのですよ。それがこの瞬間から事態は急変、いきなりMax本気モードへと突入いたします。

まず登場したのは二台のTOYOTA Mark X 25G

Img_1088

一方にはこれまでの現行品であるPRIMACY LC そしてもう一方に最新のPRIMACY 3 が装着されています。この二台を同じコースで続けて運転しタイヤの違いをチェックしようと言うものです。
ふーんマークXかあ、ごめんなさい今の筆者には最も興味対象から外れた車種なので軽く落胆、ただしその印象は後でひっくり返るんだけど(・_・;

コースはいきなりの低μ路でのパイロンスラロームですと。係数は0.2だったと思う。
「だいたい雪道ぐらいですからー」って軽くおっしゃってるのは斉藤先生だったかな? うえー、この重い車で雪道スラロームですか、そーですか(´Д` )

「最初にプロドライバーさんが運転してのお手本を見てもらいますから助手席でも後ろでも乗れるだけ乗って下さい〜」ってんで順にそのお手本を体験したのですが、へっ? マジですか、こんなスピードで進入しちゃうんですか?

で、そのプロ氏(お名前失念ごめんなさい、イケメンのお若いかっこいい方)

8/17追記、
ネット上を捜索してみましたらシトロエンCXで参加されてた方のページを見つけました。
http://minkara.carview.co.jp/smart/userid/334850/blog/30781533/

それによれば件のプロドライバー氏は馬場さんと言うラリー屋さんでしたね。
#道理で運転が静かなわけだよ、ラリー屋さんってしらっとしてとんでもない事やってますからねー(・_・;

と言う事でようやく正体が判明したラリー屋さんは、これはもう当然の如く最低限のスライドコントロールでもってぐいぐいスラロームして行きますな(@_@) すげー、お上手〜!
そこからゆっくりくるっと回ってパイロンで一旦停止。
「ここから全開スタートします。緑のパイロンでフルブレーキング、ブレーキはそのままでステアのみの操作で前方の障害物を回避して下さい。んじゃスタートします。」どひゃーん!

と言う事でちゃっかり助手席から観察するにだ、うへえ本当に全開みたいなんですけど。一瞬だけおーマークX イイ加速するじゃんとか思いかけた瞬間に緑パイロンが見えてプロのフルブレーキング、うげげ障害物近過ぎ、あー無理絶対当たる!!
ってビビッター発動の助手席オヤジは軽く無視して、んぎゃっと綺麗に曲げちゃったよ、すげえ完璧な操作!!
ひええやっぱりプロの方って凄いのね(@_@)

.........って、

ああそうだった今日は見物じゃなくて自分でも運転するんだったような気がする。いやーこれを素人オヤジが再現するのは無理でしょ? とか文句タレる間も無く受講者達が順にえらいこっちゃな世界へと旅立って行きますねえ。

さーてどうしましょ?((((;゚Д゚)))))))

2013年8月 4日 (日)

MICHELIN PRIMACY 3 をガチでテスト !!

久しぶりの更新になります(汗)

過日Facebookで飯田裕子さんからの開催情報がありまして、おーそりゃなんか面白そうだぞと言う事で早速応募してみたものの一緒に応募したコニリオの I さん情報からするとどうやらこちらは落選したらしい。とほほほほほ(´Д` )

20130726_scoop_top1
#写真はベストカー誌 HP の応募要項から拝借いたしました。

えーっとなんですか?
曙ブレーキ工業が所有するいわき市の広大なテストコースを使ってプロの人たちがやっているのと同じようなメニューでもってミシュランタイヤの最新コンフォート PRIMACY 3 をガチでテストする、と?

ふーん。すごーく面白そうなんですけど(@_@)

まあしかし落ちたんならしゃあない仕事するかと言う事で予定を組み直し土曜日もがっちり夜勤にしてとほほな日々を送る、そんな7/29の月曜深夜、一通のメールが飛んで来た。
「おめでとうございます ! 当選されました」
マジですか?
今から週末の予定を組み直す?
まーいいか、同僚一名を捕まえて、ごめんやっぱ遊びに行って来るから夜勤頼むわーで無事解決。さーってそうなったらまずは情報収集だよねって事でこれを買って来る。

Img_1081

ふーんなるほど近頃のベストカーってこんな感じなのねと。車雑誌ってもう暫く買ってないもんなあ。本当に必要な車種の専門書とか都度気になった特集部分のみが必要で買うだけだもんなあ。車雑誌方面の皆様には相当申し訳ないオヤジでごめんなさい。

それと並行してこの曙ブレーキ工業が所有する「Ai-Ring」の情報も探してみたのですがあまり多くは出て来ないですね。さすがはメーカー所有の本物のテストコースですからそうそう一般人が立ち入れるようなものではない、そんな場所に今回は入り込んでしかも豪華講師陣の指導の元でテストに参加できるってんですから期待が高まります。

そんなこんなで迎えた当日の朝、筆者が住む群馬からいわき市まではおよそ250kmの距離であるようですが、幸い北関東道が開通している今ではほとんどの行程を高速道路で済ます事が出来ますから気が楽ですね。開場時間にマイナス一時間の余裕を持って時速100km/hペースでのんびりと進みます。
東北道から海側への北関東道は今回がほぼ初めての走行だし常磐道も上の方は走った事ないので道中の景色を楽しみつつもちろんロドスタの屋根は開けたまま。

夜明けぐらいからの朝早い時間の走行なので特に渋滞する事も無くあっさりと到着。
門の前に並ぶ参加者さん達の車の後に付けますが、いきなりおいしい車に遭遇( 笑)

Img_1082

おー、CX じゃあーりませんか、これ好きなんですよね。しかもレアな25プレスティージュだよ?
早速オーナーさんと歓談。いや大変でしょこれ? メンテの事とかお漏らしの事とかお伺いしつつ、えっ? こちらですか? 動いてないけどM100エランも持ってます、あれじゃあ横浜のNさんご存知? こないだご一緒してツーリングしましたよー。
ありゃま世の中やっぱり狭いわー。

間もなくしてコニリオの I さんもご到着。おや今回はE36ですねー。

と言う事で開門を待って施設の内部に突入。あらら本当にテストコースに入っちゃったよ

Img_1083

案内された巨大なガレージに一旦落ち着き主催者のベストカー誌の皆さんからのご説明を受けます。今日一日の予定とか注意点とか。さすが雑誌屋さんはこう言うのは手慣れたもののようで、きちんと行き届いた準備が成されています。
続けてミシュランタイヤの方からの今日テストする最新作 PRIMACY 3 のご説明と、あと待ってました豪華講師陣の斉藤聡さんと飯田裕子さんのご挨拶。

いやね、大きな声では言えませんが今日のイベントは裕子姉さん目当てで参加したオヤジが複数名いらっしゃいます。もちろんここの筆者含む。
その裕子姉さんからまずはドライビングポジションについての詳しい、実に実践的なレクチャーを受けます。使用するのはVWの最新、GOLF 7 !!

え? もちろんちゃんと聞いてましたよー写真撮影に夢中だったなんて事は無いですよー(笑)

Img_1085

続いて、それではテスト開始しますよー、の前にまずは問題の周回路に集まりバンクと言うものを実際に見て脚で登って体験してみつつ記念撮影集合写真を撮ります。
いやー、噂のバンクっちゅうもんがどう言うものなのか非常に興味を抱いて来てみたわけですが、いやこりゃ凄いわ(@_@)

Img_1086

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