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2006年2月24日 (金)

ABS 4(応用編)

ABS付きの車で雪道を走る場合、ブレーキングでこれが一旦作動したらあとは車任せになってしまうわけだし制動距離も確実に長くなる事から、この場合の模範解答は「スピード半分・ブレーキングは倍の距離から開始する」と言う事になる。なんだよせっかく最新のABS付き車を買ったのにとお嘆きになるのは勝手だが、そのせっかくの車を早々にパーにしたくなかったらもう少しお付き合い下さい。近ごろの車はクラッシャブル構造になってて簡単に潰れるのと、あと保険で賄おうと言う場合に思う通りの修理代が出ず、修理を諦めて全損にしてしまうと言う事例が多いのです。

さて、それだけの結論では少々つまらないのでこのABSの原理と言うものを考察しこれが非ABS車に応用できないものか考えてみる。

前の記事の繰り返しになるが、ABSの原理は細かなポンピングブレーキである。
単純に強いブレーキでロックしたタイヤは、そのままブレーキを強く踏み続ければロックしたままどこまでも滑り続けようとするのだがそのブレーキの踏み加減を一瞬大幅に緩めてやればタイヤのロックは解除され、また路面に対するグリップ力が回復する事になる。もちろんこの状態ではステアリングも反応するから車の向きを変える事もできるわけだ。これをタイヤのロックを検知した時点で自動的に反復して行なおうとするのがABSであると筆者は解釈している。

またABSの利点として車が真っすぐ減速すると言う事があって、これが非ABS車では強いブレーキング時に車が勝手に横を向いたりあらぬ方向に向かって滑走する事があって困るのだが、少なくともABSなら路上に止まれる確率は高くなるわけだ。
そこでこのABSの動作を手動で(足ですけどね..)試してみる事にする。
(実験はドライ路面、他人の迷惑にならないような広い場所を探して下さい)

最初に試すのはとにかくブレーキをけっ飛ばしてフルブレーキでタイヤをロックさせる事。このロックして滑走している間にステアを操作して、それが全く無視されると言う事も合わせてご確認頂きたい。
#市街地走行程度のスピードからではタイヤのフラットスポットを心配する必要も無いです。

次に同様にロックさせて車が停止する以前(滑走中)にブレーキを一旦抜いてみる。
#当然「キーーー」っと言うタイヤのスキール音は消えますよね?
これでグリップが回復するのですぐにステアを操作してみる。
#いつものステアを切った感じより、車が一気に向きを変えようとするのがわかりますか?
さらにもう一度やり直してステアと同時にアクセルも少し踏んでみる。
#車の姿勢が変化するスピードが大幅に早くなるはずです。

この実験でわかるのはパニックブレーキを踏んでタイヤがロックしたままの状態で為す統べなく対向車なりに向かって自分の車が突っ込んで行こうとしている状況で、そのままでは確実にぶつかってしまいそうな場面でもこの実験のようにして一旦ブレーキを抜き「止まる」のではなく「避ける」手段を講じる事で事故を回避できる可能性が出てくると言う事である。

上記の実験で車の挙動が早くなるのはブレーキングによって車の前方に荷重が移動しているためであり、単純にステアの効きが良くなる方向となるのだが、実はABSの本来の目的はこの「避ける」と言う事なのであり、つまり強いブレーキングをしつつも積極的にステア操作を行なって衝突を回避するための補助装置と考えるべきなのだ。
ABSだからブレーキを踏んでればあとは車がなんとかしてくれる...って!? 、そんなわけは無いでしょう?

よってまずABSな人は上記の「ステアリング操作で衝突を避ける」と言う努力をしていただきたい。

また非ABSな人は、
1,ブレーキングはABSの真似をしてみる。言葉にすると「ごごごごごごご」となる。この場合の「ご」は目一杯強いブレーキで良い。それによりタイヤがロックした事が感じられたなら素早く半分程度まで足の力を緩めるのだが、これは最初は積極的に足を手前に引き戻すぐらいの感覚が必要だ。この時、雪道等ではグリップが回復した事が僅かなショックとして感じられる場合もある。そうしたら再度「ご」。以後繰り返し。

2,次にある程度の速度まで減速できたなら今度は思い切ってブレーキから足を放しステアを入れてみる。一発で思うような方向には向かないかも知れないが少なくとも向きを変えられると言う事は実感できるだろう。

雪道でパニクった時に最も必要な事は「諦めずに」「ぶつかる最後の瞬間まで」「じたばたしてみる」事なのである。
例えそれが1%の確率だったとしても、何もしないでただブレーキを踏み続ける事と比べどっちがマシですか?と言う事を書いている。

以上、ようやくABS編が完結です。

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e/f_雪道の走り方」カテゴリの記事

コメント

ABSには、大きく二通り分類されます。
2-1cHと2-2cHです。オーディオではありません。(笑)
前輪2輪と後輪を一括制御する方式が2-1cHです。
前輪2輪と後輪2輪を制御するのが2-2cHです。
当然ですが、2-2cHが高価ですし、制御チップも処理能力が求められます。
軽やビィッツクラスの車では、2-1cHの簡易なABSとなっています。当然な話です。また、使われているブレーキ自体も安価な物です。クラウンと比較したら理解できるでしょう。
ベンツでは、車体安定の為に、走行中に単独で個体の車輪に対してブレーキをかけるシステムもあります。日本車でも高級車にしかオプション設定されていません。それも50万円以上のプライスです。

車輪がロックするから、単にロックを解除する方式だと、指摘の通り停止距離が延びます。でも普通の女性には、これでも十分な効果が得られます

では。

毎回興味深く読ませていただいてます。
非ABSでのポンピング、パニック時には難しいですね。雨のジムカーナ場で経験しておりますが、最初は怖くて益々深く踏み込んでしまいます。クルマが、こちらの意思に反して勝手に滑っていくのは、ぶつかるものが何も無くても、ホントに怖いです。(^^ゞ
ぶつかる危険の無いジムカーナ場ですので、ある程度繰り返すとなんとかブレーキを抜くことが出来るようになりました。が、偶さかABS付の車両を公道で運転し、(やや)パニックブレーキを踏んだ際、今度は体が勝手にポンピングしてしまいました。鈍いなぁ。。。(^^ゞ

誰もが安全に「練習」できる施設、もっとたくさん欲しいですね。ABSのフルブレーキングも、練習するとしないではいざという時に違いが大きいでしょうね。

まさそりさん。
やはり同じ経験をなされていますね。
急ブレーキをかけていて、ブレーキを戻すには、人間の反応と逆の事をしますから、余程のことブレーキの構造と車体の動きを理解して、かつ練習していないと出来ません。

私は日頃ランクル80に乗っていますが、重い車ですから一度滑るとタイヤのグリップを回復させる為にブレーキを離さなければなりません。
当時、ABSはオプションでありましたが、4×4マガジン等の評価は芳しいものではありませんでした。ですから取り付けませんでした。
現在のSUVでは、ABSの性能も向上しており、必需品となっています。

四駆は、滑る直前までアクセルを踏んで前に引っ張ってやらなければなりませんから、グリップの感触は大切に感じていなければなりません。

嫁さんの軽にはABSをつけています。でも思いっきり踏み込めと言っても、理解していないようです。
ABSのキックバックにびっくりしています。

去年の暮れに降った雪の時に、ABSと人間ABSで比べてみましたが、私のブレーキの方が停止距離は短く止まれました。
しかし、これを嫁さんに、こうしろとかああしろとか言っても無理ですから、ABSに任せています。

それ以前に、腰と背骨をしっかりと座席に座る事から始めなければなりません。今のAT車は楽チンなのですが、とれに伴って、運転姿勢も楽チンな格好をしています。これは×です。

長期連載に感謝、ありがとうございます。


ハッピーリバーさんへ。
詳細な解説ありがとうございます。
今となってはやや古い時代になりますが、これを確認したのはCD6アコードでした。セールス氏のSOHC-V-Tecをお借りしてフルに全開・いつものお山で四輪とも滑らせながらテストし、車体の良さとABSのダメさ加減をしっかり確認した後にDOHC-V-TecのSiRを発注しました。これはABSを任意で選択できたのです。(もちろんABSレスです)

記事の方はこの後「私なりのテキトー応用編」を予定しているのですが(笑)、車重とブレーキ(ストッピングパワー)の関係は真っ先に書くつもりでした。
#なんかいつもネタの先を越されてしまいますね。(笑)

まさそりさんへ。
イノウエさんの「チクリ」によりまさそりさんがとんでもないお方だと言うことがバレました。(笑)
#それにより、私の方がビビりまくっております。

一旦ロックしたブレーキを「抜け」と教わったのはラリー屋さんからでしたね。言われて試してはみたものの、最初の頃は怖くてとてもできませんでした。
「ヤバいっ」ってなったらブレーキを強く踏むのは本能的なモンですものね。それを抜けだなんて、あんた何を言ってるのって感じで...。
だけどまぁそれなりにちまちま試してる内に、ブレーキに任せて迫り来るガードレールをただ睨みつけるよりは、自分でなんとかできる(..かも知れない)要素を残す方が遥かに現実的な選択である事に気がつき、以後運転技術の方に精進するようになりました。
#どっからぶつかったら最も安く済むか、なんてね。
#あくまでも一般屁たれレベルでのお話なんですが...(笑)

117おやじさん、こちらでははじめまして。
北陸で青いPA95に乗ってます。

雪道でのブレーキングですが、短距離でロックもせず止まる方法があります。

MTではちょっと難しいですが、左足でブレーキングをしつつ、右足でちょっとだけアクセルを開けてやるんです。

一度おためしあれ。

いらっしゃいませ〜。福井のTさんですよね。(笑)
これって「FF」の「AT」での技ですよね!? 私もATでは常時左足ブレーキですけど、今の通勤用NAロドスタATではFFとはちょっと違った挙動になります。
この辺も私なりの解釈をネタとして続けますのでご意見をお願い致します。

ばればれですね(^_^;)

FFもしくはAWDで有効な技ですね。
AWDの方がより有効なのかな?。

残念ながらFRは雪道を運転したことが無いので(^_^;)、実体験では語れませんが、たぶん効果がほとんど無いだろうなぁって思います。

福井の今年の雪は凄いんじゃないですか? 運転お気をつけて。
AWD(私にはやっぱヨンクですな)ではそのシステムにより挙動が大きく変化するため知らない車に乗る時はすごく緊張します。オーソドックスなFR+センターデフのon/offによるもの(昔のjeep他)から、ビスカス等で駆動力を配分するトルクセンシング式(Rのアテーサ他)、またFFベースのもの(いっぱい...)、いずれもゆっくり走る分には大差無いですがいざパワーを掛けて悪路を突破しようとするとそれぞれでまったく違った動きになります。
試した範囲ではスバルが最も安定しているように思います。

>117おやじさん&イノウエさん

な、なにか誤解なさっているような。。。。汗汗。
ふつーのOYAJIでございますよ。スーパーなどの車庫入れも切り返ししないと出来ないし。(^^ゞ

技術の新化が安全をもたらしてくれてるのは確かだと思いますが、何事も「ぶっつけ本番」にならぬよう練習が必要ですね。「本番」が来ない事がなによりですが。

あれっ!? HPを拝見したらと〜っても怪しいMiniがいっぱい写ってましたけど(笑)、アライメントいじりまくって幅広タイヤのMiniではさすがに据え切りはキツいですか..(爆)

ここでくどくど書いている事は全て知ってる人には無用の話題ばかりです。スタッドレスから雪道での話へと続けたのは普通のよくわからないまま走っている人たちに対し、全てを理解する必要は無いけどもう少し考えて運転した方が良いですよと言う提案をさせていただいてるつもりなんです。
低速度で安全に走っていれば事故の確率は下がりますけどそれでも事故る時はあるわけで、それがなぜ起きたのかを考えて欲しいんですよね。40km/hの事故だって、死ぬ時は死ぬわけで..

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