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2006年3月30日 (木)

確信犯的オーディオ

近年リリースされる大半の新譜で共通する、非常に気になる現象がある。
#低域(30〜60Hzあたり)がやたらブースト(+6dB程度増強)されてませんか?
加えて高域(2〜4kHzあたり)も+3dBくらいになってるフシが...

こう言った音を聞いてみて真っ先に考えられる理由は、これが一般家庭で普及しているミニコンポ向けの対策であろうと言う事である。
昔流行った大きなステレオセットに比較すると現代のミニコンポは非常にコンパクトにまとめられていて、その小ささの割には水準以上のまともな音がすると言う場合も少なくないようであり、これが技術の進化なのかと感慨に耽るのはまぁそれぞれの勝手だとしても「ちょっと待てよ」と一旦考えるぐらいの事はしてみた方が良いと思う。
物事には自ずから「物理的限界」と言うものが存在する。
「音楽信号」と言うものを現実的な「音」に変換するためにあるスピーカーと言う「機械」には、この物理的な条件が様々に作用するのであり、その限界を上回るような特性を示す機械にはなんらかの意図的な操作が加わっていると考えれば理解しやすいだろう。
つまりは冒頭の新譜の音なのである。

単純にごく小さなエンクロージャー(スピーカー箱)にどんな高性能なスピーカーユニットを組み込んだとしても、その低域再生能力のほとんどは箱の物理的な容積に制約される事から、もしそのような小さな箱で十分な低域を再生できるとしたらそれは確実に何らかの低域ブースト手段が講じられているはずだ。
つまり、明らかに低域が不足するであろう(ミニコンポのような)システムで音楽を聴かざるを得ない人が音楽ファンの大半を占めるような状況が予想されるのであればそう言ったシステム向けにあらかじめ音楽信号をイコライジング(加工)すれば良いわけであり、そう考えた一部のエンジニアが始めた録音側でのイコライジングがいつしか主流となって行ったのではないかと考えられる。

この事は別に批判するような種類のものではなく、現代の再生音楽事情を深く理解した上での「親切」とも言えるわけであり、まぁお好きにようにやって頂ければ良いだろう。

で、こう言った録音側での加工は、実は古くから行われていた事なのだ。
最も有名なのはLPレコードに於ける「RIAAカーブ」であり、これは当時の録音/再生状況ではどうしてもフラットな特性を得られない事から考え出されたものであり、再生時には「RIAA」イコライザー(Phono Amp)が必要とされた。
また初期の「DOLBY System」や「dbx」も基本的な考え方は同様だと思われる。
いずれも録音時に敢えて周波数特性を変化させ機器の物理的限界を高める事を目的としており、それにより多少のS/N比の劣化を生じるもののそれを補って余りある物理的効果が得られると言うしろものなのだ。

これはある意味、よくわかった人間の手になる確信犯的行為と言って良いだろう。

.......

世の中にはスピーカーの箱をどうしても自作しなければ気が済まないと言う種類の人間が存在する。その利点はまず「安く済む」と言う事から始まるのだが、何度か製作を繰り返す内にまともな神経の持ち主ならそれがメーカー製の箱には到底及びが付かないものなのだと言う事に気づくだろう。
自分で作ったと言う満足感で済んでいる内はともかく、絶対的な音質と言う点を比較した時にはメーカー製の箱に対し結局はコストで負けると言う事実がある。
専門メーカーの仕事はそれほど高レベルのものであると言う事なのだ。

ただし、ここにひとつだけアマチュアが入り込める隙があり、すなわち「メーカーがメーカーである」故にコストに制約され必ずしも理想的な設計となっていない場合があると言う事が少なくないと言う事実、つまりどんなに優れたユニットを使用していたとしてもその性能を100%発揮していると言い切れるのはごく少数のシステムに限られると思って良いようなのだ。もちろんこれには商品としての制約もあり、例え理想的な音質を得られるからと言ってそれがあまりにも巨大なシステムになれば買える客はごくごく限られてしまうからとても商売とはなり得ないわけだ。

この事が最も顕著に現れているのがJBLの家庭用システムなのではなかろうか。

.......と言う事に真っ先に気づいて、発売されたばかりの#D130と#175DLHを買い込み自らが考える「メーカーでは成し得ない理想的な」箱を製作してしまったのが一ノ関のSwifty氏である。
ちなみにこの箱は今現在店で使用されているものそのものである。

Swifty氏から20年ばかり遅れて現在の箱を製作した筆者は、そこでもうひとつ考え直してみた。
一ノ関Basieの箱は、JBL #D130系を鳴らすにはひとつの「理想形」と言える。
では筆者がSwifty氏に追従して同じような箱を作ったとして果たして氏と同じような努力を重ねてあのようなレベルの音に高めて行く事は可能なのだろうか?
答えは「100年かけたらなんとかなるかもね(笑)」
...残念だが筆者はそこまで生きる自信がない。

では、と言う事で考えたのが上記の「イコライジング」であった。
幸い自分がどのような音を欲しているのかと言う点については見当が付いている。たまたま入手した#D131の素性も仮に製作した通常の箱でだいたいの予想が出来ている。
ならばやるしか無いでしょう、と言う事で製作した現在の「いんちきフロントローデッドホーン」、
...アレは実は「ホーン」にはなってないのですよ。(笑)

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b#おやじなJAZZ&AUDIO」カテゴリの記事

コメント

ふむふむ。
ということは、やはり中古レコ屋でアナログ盤を漁る、
という僕の姿勢は正しいわけですね。
今デキの音源は「CD+ミニコンポ」で聴くことにして、
アナログを旧タイプのシステムで聴くという体制。

ところで過日書き込んだレコード・クリーナー「バランス・ウォッシャー」。
これ、とんでもない優れものですよ!

いやービックリした。スンゴイです。
もうダメだと思っていたレコードが軒並み復活しました(@o@)
チョト高いですけど、使う価値あると思いました。

さすがpanjaさん、しっかりツボは押さえてますね。
中古レコードはよほど大きなキズでも付いてない限り立派なお宝になります。

これもおもしろいから記事にしてみましょう。
(ネタ提供ありがとうございます)

オーディオのネタで一言。
電解コンデンサは、現在の技術で以ても、容量抜けは回避できません。ですから経年に亘り電源の安定性を求める為に、予め容量の大きなコンデンサをつけているのが普通です。
容量抜けは、コンデンサの内部にあるアルミ箔が溶けて無くなる現象です。

一時極端な大容量化とか高価なオーディオ専用品なんかが流行りましたけど、結果的にはそこそこの品質で必要十分な容量があれば事足りると言う事がわかって落ち着いたようですね。
どこの世界も結局はバランスと言う事に終着するのでしょう。

ウチで使っているアンプは業務用に使われるものがほとんどなので経年劣化には強いようです。
昔のアメリカもんって、丈夫だわ。

新宿以来ご無沙汰のPA95レストア中の樋口です。
 久々にブログを拝見しPAの好きな人種ってクルマ以外の趣味迄似て来るもんだと関心したりして。

 じつは私も一頃オーディオに凝っておりました。
どの程度かと言うと真空管アンプやエンクロージャーの自作にハマり今でも押し入れにはその頃の残骸で新品未使用の真空管が30本位残ってたりします。

 しかしです、どんなに手間暇かけて気に入ったアンプを作っても結局をそれを楽しむ環境が無ければ意味が無いのです(涙)。
 要するに専用の(若しくは独占出来る)リスニングルームが確保出来ない代わりに音圧レベルの低い小型スピーカーに半導体のパワーモジュールで力にモノを言わせて大出力をブチ込み高域と低域をブーストした音作りでそれを補うと言う悪循環に陥らざるを得ない訳です。
 
 実体験で言うと以前某家電メーカーに勤めていた頃担当者には無断でショールームに置いて有ったガウスのスピーカー(音圧レベル100dB以上だったと思う)に自作の3W×2の真空管アンプを繋いだ所びっくりする位の音が出た記憶が有ります。
 これに味を占めて当時話題になってたヤ○ハのブックシェルフスピーカーに繋いだ所・・・・パチンコ屋の店内放送レベルに変身でがっかり。
 オーディオって奥が深いですね。

樋口さんお久しぶりです。
最初にお会いした時からどう見てもフツーの人ではないだろうと思ってましたが、やはりタダもんじゃなかったんですね。(笑)

おっしゃる通り最低限の環境は必要ですよね。
とは言え私も東京・横浜に居た頃はずっと普通のアパート暮らしでしたからお気持ちはよく分かります。
結果的に私が選択したのは ALTEC 755E 一発と言うものでした。これを6CA7 PPで「そこそこ」の音量で鳴らし、ひたすらクォリティとバランスを追及すると言うもの。
また知人はLS3/5Aをマランツ#7+#9で鳴らすと言う事をしておりました。
この二例は一見一般常識に反する鳴らし方とも考えられます。例えば能率の高い755Eなら2A3でも十分だろうとか、逆に能率の低いLS3/5Aはもっと現代的な石のアンプ(Quad #44+#405とか)が良いのではと考えるのが普通ですよね。
だけど両者とも実際に必要だったのは車で言う所の「トルク感」なのであり、普段使う音量での音の太さを求めた結果それらの不釣り合いなアンプに落ち着いたと言うわけです。

常識が通用したりしなかったり、でもよくよく考えるとちゃんと繋がってくると言うとても奥の深い世界である事は間違いないですよね。
一生楽しめると言う点でもまた然り。

え~~~・・・オーディオネタでチャット状態になって来た感が有りますが(爆)。
 
んと・・・6CA7は松下ですねぇ。
 実はフィリップスのEL34のPPを三結にして愛用してましたが当時は二束三文の値段でした。
 ちなみに先に書いた3W×2のアンプはRCAの2A3ですがこれもやはり当時は二束三文。
 てな訳でこんな夜中に押し入れから手持ちの真空管を持ち出して眺めてたんですがファイナルに使えそうなタマは国産(TEN?)箱入り新品の6F6のペアチューブが4本と位相反転用に6SN7位です。
 NECの50CA10なんて「偽三極管だぁ・・・」なんてバカにしてたのに・・・・
 全部保管してれば今ごろちょいとした財産だったかも。
 
 
 

>オーディオネタでチャット状態に..

だいじょぶです。オーディオネタを読む人は限られてますから。(笑)
#本文ではあまり極端な話題に走らないよう必死に自制してます。(爆)

で、お手持ちの球ですが、...なんか作れそうですねぇ。50CA10は今さら拘る必要も無いと思いますけど、Western等ではない普通の国産球でも、古いものはしっかり作られていますから保存状態が良ければちゃんとマトモな音になるのではないかと思います。

なお私個人は昔からのテレフンケン好きであり、現在も同ブランドのEL34を愛用中です。(ALTEC 128B)

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