カテゴリー

無料ブログはココログ

« 雨どい編 2 | トップページ | ロドスタ親子の会話 »

2006年7月17日 (月)

「聴く鏡」発刊

つい先日の事だがpanjaさんから嬉しいニュースが届いた。
一ノ関"ベイシー"店主・菅原さんの新刊だ。


Rp1060693「聴く鏡」1994〜2006
菅原 正二
ジャズ喫茶ベイシー店主

発行・ステレオサウンド社




オビの言葉がまたすごい。
「オーディオに命をかけた伝説的ジャズ喫茶店主の軌跡」と来たもんだ。
ご本人はこの言葉に笑っておられるのではないか..

菅原さんには既に「ジャズ喫茶"ベイシー"の選択」と言う名著があって、これは初版が売り切れた後ようやく近年になって再販されたようであり、これもまた喜ばしい事だ。
ただしこちらの著書での氏のお言葉は、それが素晴らしくストレートなものであるが故に非常に難解でもあり、これはヘタにオーディオをかじってる人間ほど理解できなくなると言う不思議な傾向を示す。
もっともそもそもベイシーを訪れたオーディオマニアの大半はその音の意味を理解できずに帰って行くと言う事実があるのだから、まぁしょうがないのかも知れないが..

でもね、
ベイシーの音を理解するのは、実はそんなに面倒な事ではない。
...いらん事を考えずにただ聴けば良いだけの話だ。
初見の客であれば菅原さんの方で適切なレコードを選択してくれるし、一見してデキる客だと思われればそれなりにジャブも繰り出してくれるが、なんにしろ客の立場としては素直にただ聴いていれば良い。
もちろんその音を聴いて喜ぶのは自由だし、雑誌を読んでも、あるいはうとうとしていても構わない。菅原さんの全てのメッセージは「音」に姿を変えてまんべんなく客へと届けられる事になっているのだ。
もちろんハナから音なんかどうでも良い状態で泥酔していたりカップルでイチャついていたりするとそれなりのコトが起こる可能性はある。(笑)

さて新刊の方の話であるが、これは季刊「STEREO SOUND」誌に連載中のエッセイを一旦まとめて刊行したものである。
筆者はこれを首を長くして待っていたのだ。
こちらでは前作に比較すると菅原さんのペンの腕も格段に上がり、前作ではともするとやや言葉足らずな部分があってそれが余計困難さに拍車をかけていた嫌いもあったのだが、今回の作では非常にこなれた文章となっていて普通に物語的に読み進む事が出来るはずだ。

...ただし、
その優しくこなれた文章の奥に潜む菅原さんの本質的な部分は一層理解し辛いものとなってきているのは事実であり、正直言って筆者も全てを理解できるとは言いがたい状態なのである。
この事は、実は店の音にもとっくに現れていて、およそ10年前の菅原さんご自身のある事件をきっかけとしご本人が筆者などにはまるで手の届かない世界に行ってしまわれているようなのである。

30年前の"ベイシー"の音は強烈にジムラン臭い音だった。それ故に当時若干18歳の筆者でも十分に理解できる種類の音であったし、また「こう言う事をやっても良いんだ」と言う勇気を与えてくれる音でもあったから、当時いきなりジャズ喫茶を開業する客が続出したのも無理からぬ話ではあった。

20年前の"ベイシー"の音はオーディオ的に最盛期と言って良い時期だったのではないかと思う。この頃にはある程度モノを知っているオーディオマニアが頭を抱えて泣きながら店をあとにする姿がよく見られたし(笑)、逆に全く理解できずぼう然としたりあるいは捨てぜりふを吐いて行く情けない馬鹿者とにはっきりと二分化した時代でもある。

10年前、この頃から"ベイシー"のジムランの音にある種の理解できない音、言い換えればこのユニットでは「あり得ない音」がちらちらと頻発するようになった。
元々ここの音は「ジムランからは出るはずのない音」であるとも言えて、ただしそれは努力次第でなんとかなる(..かも知れない)と言う客に勇気を与える種類の音であったのだが、この時期からは「どう考えても出るわけねーだろ(筆者・談)」と言う音が出るようになっていたのだ。
これをしてついに"ベイシー"も円熟期か?と思うのは簡単な事だけれど、色んな意味で菅原さんの音を追い続けてきた筆者としてはついに理解できなくなった事について非常に悔しい思いをしていた。

正確に言おう。
今"ベイシー"のジムランから出ている音は、もちろん音としては筆者も理解できるつもりだ。それはひと言で言うなら「美しい音」なのである。もちろん"ベイシー"のあの圧倒的なパワーと正確さは維持したまま、そのなかにたまらなくきれいな音が見え隠れし筆者のようなヘたれオーディオマニアを圧倒する。
だけどその音がどうして出るのか、筆者には全く見当が付かなくなっているのだ。
ここに来てついにボロ車にばかりうつつを抜かしていたツケが回ってきたか..。

...まずい、ベイシーに行こう。

« 雨どい編 2 | トップページ | ロドスタ親子の会話 »

b#おやじなJAZZ&AUDIO」カテゴリの記事

コメント

手に入れた一作目を昨日ほぼ読了しました。

ミュージシャンとの交流のホットなこと。
ジムランと格闘するその態度の真摯なこと。
技術よりもセッティングのディテールよりも。
「音」そのものと対峙する姿勢が、たとえば僕が
絵と(自分が描くときはもちろん見るときに)
対峙するときのような緊張感があって。
とても共感する部分がありました。

ま。
もちろんテクニカルなことがチンプンカンプンで
わからない、ということもあるんですけど。
えへへへへ。

この一作目はK談社の編集者に入手できないかと
聞いてみても返答がなかったので、たぶん事実上
「在庫なし」の状態だと思います。
僕はガオカの古書店で買いましたのです。

panjaさん、
さすがにきっちり読んで下さったようですね。
菅原さんのエッセイはその時に現場に居ないとわからないような種類のものも多数含まれています。私もおいしい事件の大半を聞き逃していますけど(笑)、不良馴染客を自認する立場としてはある程度想像でなんとかしなくちゃいけない場合もあったりします。(笑)
でもま、ほんとに面白いのはそんな数々のエピソードよりも菅原さんご本人の人となりであるわけで、ベイシーの音と言うよりもいつしかあの人の人間性そのものを追いかけようとしている自分がいる事に気づき、一人で笑ったりしてるのですよ。
...とてもかなわんのですけどね。

>たぶん事実上「在庫なし」の状態だと思います。
ありゃ、そうなんですか。
興味のある方は古本でも何でも入手しておくべきでしょうね。

 この記事とは関係ないのですが、SOLEXの調整の過去記事が途中みたいですが、どうなるでしょうか。
 それから、キャブバランサーですが、持っておられるものはヤフオクでも見かけますが、4連のバキュームメーターのほうがよいというようなHPの記事もあります。
 どれぐらいの精度が要求されるものでしょうか?

keiji117さん、
>SOLEXの調整の過去記事が途中みたい..
どーも申し訳ございません。出来るだけ早く続きを書きます。(大汗)
...っつーか、keijiさんHMのSolex調整はこちらから出張いたしますよ〜ん。

精度に関しては確かに大ざっぱではありますね。でもまぁあの程度の道具でそこそこ調整しながらキャブとエンジンの関係を学習して行く過程がとても楽しいものなので、keijiさんにはこちらをお勧めします。
#ちゃんとやるならA/F計も必要ですからねぇ...

 Solexの調整に出張いただける由、ありがとうございます。現状を言いますと、もう走れる状態ですから、仮ナンバーをとってみようかと思っています。しかし、アイドリング状態でも結構ガスが濃い感じで、しばらくエンジンをかけていると排ガスで空気がくすぶる感じです。いろいろパーツがないと試すことも出来ないんですね。ヤフオク頼りかなという感じです。(^^

>...まずい、ベイシーに行こう。
いつ行きますか?
行くときは、117の主治医さん、オーディオの師匠さんにちゃんと声かけてくださいネ!そうすれば、私のところにも声がかかると思いますので。
それから、117の主治医さんのところから私のターンテーブルを持って行ってイナーシャに使ってるでしょ!もう少し違う使い方してくださいヨ。
では!

keiji117さん、
アイドリングは濃いめで大丈夫です。京浜精密の元ondaさん所有HMは素晴らしい状態にリセッティングされていましたが(アイドリングでエンジンが全く振れない ! )それでも若干濃いめになってました。
Solexでは実際の走行状態に合わせてセッティングを進めるとどうしてもアイドリングが濃いめになる傾向があるようです。

パーツ類は、後々絶対に必要になりますから私の"a/solex"過去ログでお勧めしているものを揃えて下さい。

出張の時はみんなに声をかけて盛大にミーティングしましょう。(笑)

tanaka74さん、いらっしゃいませ。
......っつーか、..いつバレたの!? (汗)
まっとうなオーディオマニアの方はこんなblog読んじゃぁいけませんて。(笑)

と言いつつも..
tanakaさん、M主治医、Y師匠、それに私となると、車はあの赤いので行くしかないですねぇ。(笑)
お盆前にちょいとロングドライブと行きますか。

>私のターンテーブルを持って行ってイナーシャに使ってるでしょ!
げげっ、アレの持ち主はtanakaさんでしたか...(大汗)
そんな、定価70万もするようなターンテーブルをそんなバチ当たりな使いかたするわけないでしょ!?
(...今の所は)
(単にY師匠の所からアラミド糸をカッパらってくるの忘れただけとも言う...)

>もう少し違う使い方してくださいヨ。
...すんません。
ではせっかくくっついているSMEベースのために、3009貸して下さい。(笑)

へへへ!実は、今年の4月にM主治医別宅にY師匠と一緒に遊びに行ったんですよ。そこで、このブログのURLを知るにいたり本日までほぼ毎日チェックしていました。今回、久しぶりのオーディオネタでしたのでちょっと反応しちゃいました。
ベイシー行きの件はY師匠ご承知(って言うか一緒にコメント作ったんです)ですので、後はM主治医に連絡方願います。

>ではせっかくくっついているSMEベースのために、3009貸して下さい。(笑)
すみません。SMEのアームは売却してしまって手元にはもうないんですよ。Y師匠なら持っているかもしれませんよ。

>お勧めしているものを揃えて下さい。
>出張の時はみんなに声をかけて盛大にミーティングしましょ>う。(笑)

了解。
いつごろがいいですか?
アイスクリームが少し暇になってから? (^^
少し早めに声掛けをする必要があるかなということと、その日を目標に手を入れていこうと思いますので。

tanaka74さん、
ありゃま、あの「ヤクザな」セッティングまでバレてるんですか。(汗)
M主治医のオーディオに関しては、...わたしゃ一生懸命マトモなものにしようと努力してるんですよ。
#だけどM氏はマトモは嫌なんだって...(笑)

tanakaさんのお休みは土日でしたっけ?
M氏が今隔週土日休みなので、こちらの都合が最優先になるでしょうね。詳細を詰めましょう。

あとSMEは両氏宅に転がってるのを確認済みなので、いずれカッパらってきます。(笑)
#オリジナル3009が良いなぁ.. >Y師匠(爆)

keiji117さん、
keijiさんの方は夏休み中の方が良いですよね。
ハッピーリバーさんのご都合をお伺いしてますのでもう少しお待ち下さい。

奈良に行く道中拾ってもらいたいです。

戸川流さん、
もちょっと予定を詰めてから告知してみましょう。
戸川流さんも土日の方が良いですよね?
8/19・20あたりになるのかなぁ...

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/132725/10985237

この記事へのトラックバック一覧です: 「聴く鏡」発刊:

« 雨どい編 2 | トップページ | ロドスタ親子の会話 »

フォト
2014年12月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Twitter