カテゴリー

無料ブログはココログ

カテゴリー「b#おやじなJAZZ&AUDIO」の101件の記事

2014年11月 3日 (月)

4.一方の、真っ向から立ち向かう人 その1

......

ウェスタンを始めとする過去の先駆的な技術者達が、そのほんの黎明期であるに過ぎなかったはずの時代に既に完成させてしまったかのようにも思える、それ程までに優位性を誇ったこのホーンシステムは、あるいはこの時代でもうとっくに完結していたと考えた方が良かったのかも知れない。
もちろん技術面での僅かな弱点は確かにまだ残ってはいたが、それは後の世の研究改良によってどうにでも補完して行けるレベルのものであったろうと思う。

ところが、そもそもこれだけの高レベルからスタートして時代と共に更に洗練されて行くはずだったこの高貴なるものと表現して良いであろう音世界は、実際にはその後の時代の波あるいは時代の変化と言ったものには乗り切れずに(現実的には当初の技術レベルが継承されること無く)結局はどこかに埋れて行くことになるわけだが、しかしその最初から余りにも完成されていた音世界は、これはもちろん後の世の技術者にとっては大きな壁でもあったと同時に、この間のいくつかの新たな挑戦を生むための土台ともなっていた事をここで記しておきたい。

ウェスタンの時代以前に既に、スピーカーを理想的に鳴らすための理論の中には実はこのホーンシステム以外にもあと二つの方法が存在していた。そのひとつは無限バッフルと言う考え方。
これは理論的に言うと無限大の平面バッフルにスピーカーユニットを取り付ける事で背面から放射される音成分を完全に遮断しようとするものである。無論無限大を現実化することは不可能であるわけだが、その近似値を実現するやり方は三つある。

最初のひとつは所謂プレーンバッフルと呼ばれるもので、この無限バッフルを有限化したものである。
限られたサイズの平面バッフルを部屋に設置しそこにユニットを取り付ける事で無限バッフルの持つ理想的(であろう)特性の片鱗を伺おうとする方法であると言える。
これはかつてはステレオサウンド誌でも実際に製作したことがあり、記憶では2400mm角のプレーンバッフルにALTEC 604-8Gを収めていたと思う。
2400mm角とは、要は四畳半の壁一面の大きさとなる。これを左右二枚。当然その間にはある程度の空間も必要で、この音を聴くための環境としてはとりあえずバッフル前面方向にはバッフル設置面積の最低1.5倍長、つまりは四畳半に中間部分の余裕を考えて八畳、これの二つに対し1.5倍長であるから少なくとも24畳は必要な計算となる。
......そんなお部屋お持ちの方って何人おられるんでしょう?(^^;;

ステレオサウンド社の視聴室はそれなりに大きなものであったことは良く知られているが、このプレーンバッフル時代にはそれでもさすがに狭かったと言う現実的な感想を述べる方もおられたように記憶している。
実際、これはプレーンバッフルを経験してみれば容易に理解できることなのだが、これを設置する場合に最も重要となる要素は実は背面の壁との距離をどう取るのか?と言う点になって来るのである。
この時の距離は実際には思ったよりもかなり多くを要するものなのだ。有限バッフルでは背面からの反射音の影響を抑えるために要する距離が最低でもバッフル面の大きさ分は必要となる。
つまり、背面側にも更に八畳x2の空間が必要となり、先の計算結果にこれを加えて総計40畳と言うとてつもない広大な部屋が必要になってしまうことになる。
更に更に、これをオーディオ的に考えるならばプレーンバッフルと部屋の側壁との距離を取る必要性もあり、そうなると天井高の問題も必然的に付随して来るわけで、これを考慮した計算結果は、.......いやもう計算するの嫌( ;´Д`)

とりあえずこの話は、Quad ESLのオリジナルを使った経験のある方なら容易に理解できましょう。

さあさっさと次に行きます(^^;;

続くひとつは所謂 壁バッフル と言うもので、住宅の広い一部屋の中間に新たに壁を設置しそこにユニットを取り付ける。背面側は多少狭くはなるがそのまま部屋として使って差し支えない。あるいは二つの部屋の境界となる壁をバッフルとして仕立て直す形でも良い。
ただしこれは文章として書くと甚だ簡単なものになるのだが実現するのは容易なことでは無いのは明らか。
しかもこの場合の壁が住宅の強度部材としての役割からは完全に切り離される必要があると言う点でもって、この事が実現性と言う面では大きな、文字通りの壁となる。

もう一つはスピーカーキャビネット自体を壁に埋め込んでしまうと言うものであり、バッフル面と壁面をツラに揃えれば確かに理論に近いものにはなる。これは大昔の吉祥寺ファンキーで見た記憶がある。1Fの、あれはD130+175DLHであったか?

そしてもう一方が無限容積の密閉箱となるわけだ。
一般的な大きさの密閉箱では限られた容積の中での背面からの放射音による反射や圧の影響で本来の外面への放射音に対しても様々な弊害を引き起こすわけだが、ならばその容積を無限大にしてしまえばその心配は無くなると言うのがこの理論である。
もちろんこれにも実現性は無いのは明らかなので、この場合は容積の制約がスピーカーの特性に与える影響をほぼ無視できる範囲に収めた上でのキャビネットの大きさとの関係を最大公約数として求めたJIS指定箱と言うものが存在する。
この箱の用途としてはユニットの特性をカタログに記載するために測定する時これを用いると言うことになっていて、つまりはこのJIS箱を自作してやればカタログ値の特性を実現できる、言い換えればメーカーが意図した音そのものを自分の部屋でも再現できると言うことになるわけであり、実際私も若い頃にロクハン(16cm)一発用にこれを作ろうかと考えたこともあったが、いざ寸法を調べてみた時には既にその箱の大きさはあまりにも非現実的な大きさである事に気付き大いに落胆したものである。
こんなもん、当時の住処であった四畳半とか六畳間にはとてもとても置けるわけはないのだから......(´Д` )

前振りが長くなってしまったが、ここではこの最後の密閉箱に挑戦した人が居たと言う話を始めたい。
この人の密閉箱は、実はオールホーンシステムに対する挑戦であったと言い換える事もできるように思えるからだ。

話の主は、そう、一ノ関ベイシーの菅原さんのシステムである。

長くなってしまったのでこの話は その2 へと続けることにする。

......

2014年10月28日 (火)

沈黙は、宜しく無い?

本当に久しぶりに出てきて記事を書き出して、おやっ?と思って読んでくださった方にはご迷惑をおかけしてるかも知れませんね。

今回のはたまたま要望があって書き出したものなんですが、恐らくこう言う世界を理解できる人はほんの僅かな数に止まることと思います。リアルにその現場に居て、リアルにその時々の人たちと交流した経験は、同じような経験を持つ人には通じるであろう話ですが、それ以外の人にとっては全く意味不明の話になってしまうのは(大変申し訳ないのですが)これはいた仕方ないことだろうと思っております。

それでも、今になってこんな話を書き出すのは、こう言う経験を後世に伝えようとする動きがあまりにも少ないと言うことが理由として挙げられます。もちろんこの私にそんな大役が務まるなんてことは思ってもいませんが、それにしても誰か書けよと!黙ったまま過ごしてたらみんなもうじき死んじゃうじゃん?そんな現実もまたリアルのものとなって来ているわけですから。

これは決して経験した人たちだけが墓場に持って行って良いって話ではないんですよ。
あの時代に真剣に音に取り組んだ人たちが居たこと、そしておよそ言葉では言い尽くせない、えっとこれは故 岡俊雄先生が提唱された事なんですが、オーディオに狂うと言うことはこれは即ち<再生芸術>と言う新たな世界を構築する作業なのであると。その世界は生演奏と同一の土俵で語るべきものではなく、これはこれで独自の究極を目指すものであるのだと。
生演奏は、如何に時の名演奏家を持ってしてもそれが必ずしも名演奏となるとは限らないではないか、しかし我々には過去の名演奏家による素晴らしい名演奏が記録されたレコード盤がある。これの中に秘められた音楽世界を己の精魂を込めて最大限に引き出す事でそれらの魂を引き出すこと、これこそが再生芸術と言うものなのである、と。

そのお言葉を直にお聞きしている身としては、やはりこのまま黙ってるわけには行かないよなと思い始めたわけです......

2014年10月27日 (月)

タンノイ オートグラフを評価する,その3

K先生のオートグラフはTEACが正規代理店になってから輸入された物で、中身はモニターゴールドが標準となっておりました。
先生はこのオリジナル状態を基本に数十年間取り組んで来られて、その経験の上で近年になってから熟慮の末にモニタシルバーを入手、更にはモニターレッドまで入手されて(こちらはどっかのオヤジがけしかけたらしいですが(笑)、それからはそれぞれのユニットを付け替えじっくりと納得行くまで鳴らし込んだ上で、最後にこれでどうだーっ!ってな頃合いになってだいたいお声がかかります。
まあオーディオ好きの性と言えばそれまでですが(^^;;気合の入り方は半端じゃあないです、この先生(@_@)


......

3,心は、届く

目黒鷹番の学芸大駅近くにホーム商会と言う店がある。ここは随分と古くから日本のハイエンドオーディオを牽引して来た店の内のひとつである。

JBL #43シリーズが爆発的なヒットを放ったその時代に、実は瀬川先生の他にもこのシリーズの持つ可能性に着目し早くから店にデモ機を置いて顧客に対しての提案を行っていた所が幾つか存在していた。ここはそんな先駆的な店の内のひとつであった。

ホーム商会に於ける展開の流れはまず(勿論)4320から始まり、すぐに4330、4333、4341、4343、4343Bへと続き4350すら展示していた時期もあった。ここで興味深いのは少し時間を置いてはいたが並行してL200(=4320)を置き、またL300(=4333)を置いていたことだ。
これらJBLが同時期に並行して展開したホームオーディオ用としてのモデルは、なるほど余りにも無骨で殺風景な#43シリーズを家庭に持ち込むことに躊躇する顧客層に対しては多いにアピールすることが出来たであろう。
販売店での商売としての目論見を考えればこれは非常に説得力のある至極真っ当な手法であったと言うべきであり、実際この店が存在したことで正気を失うことなくオーディオ趣味を維持出来た常識人が数多く存在したことは同類の目からみても喜ばしいことであったと思う。

そしてそんな目まぐるしく変換して行く時代の中で、この店には更にもうひとつのシステムが不動の存在として君臨し続けていた。
JBL D44000パラゴン、しかも初期型の190-4Cを内包するシステムである。そしてそのパラゴンは永らく<非売品>とされていた。

ホーム商会での#43シリーズの展開は随分長い間続いていたと思うから、恐らく、特に4343に関しては販売数はこの店が日本一だろうと言われていた。
そんな店だったからこそここには他のアンプ群、ターンテーブル、カートリッジ、また周辺機器も含めその時々の各社最高峰のものが並んでいて、訪れる客は4343を基準としてそれらの機器の聴き比べをしまた品定めをする、そのような場でもあったわけだ。

そうやって最新鋭の機器により4343の能力を更にあと少し、いやここはまだ出るだろう?そんな真剣な視聴を繰り返しながらフッと、店長の(現社長)あきらさんがちょっとパラゴンに代えましょうと用意してくれる事があった。
真剣勝負で疲れ果てた耳、もう音自体しばらく要らないなあと思うくらいのクタクタな状態の身体、それを優しく解きほぐしてくれるかのように、そのパラゴンの音は真っ直ぐに身体に染み渡ってくるかのような音がしていた。
4343を真剣に聴き込んだ後でのパラゴンの音なんてまともに評価しようとしたらそれこそ目も当てられない、およそHi-Fiですらないだろう?と言われかなねい筈の音であったのに、とにかくその時のパラゴンの音は深く染みたのだ。

そう、ホーム商会のパラゴンの音で既に答えは出ていたのだ。勿論あきらさんは何も言わなかったけれど、そうやって私にもその事を教えてくれようとしていたのだろう。

4343を精密にバランス取りし最上の周辺機器で固めて生演奏と同量の音量にしてレコードを演奏した時、これはもう何度も経験したことだがお店に入ってすぐの部屋でその音を聴くと奥の部屋では今まさに生演奏が奏でられているとしか思えない錯覚に陥ることがあった。これは特にピアノ演奏では顕著な現象であった。

うわあこれは良い演奏ですね、しかし本物のケンプがここに居るわけはないですよねえ?そんな事を言い合って客同士で笑ったものだ。

隣室から漏れ聞こえてくる恐ろしくリアリティに富んだ音世界、これこそは4343の真骨頂であったろうと思う。生の弦楽器が奏でる、時に突き刺さるようなリアリティも、またそれが響きを伴って優雅に重ねられて行く様子も自在に再現して見せたし、また人の声にはしばしばゾクっとさせられたものだ。
一方で所謂PAを伴う演奏つまりジャズやロックまた歌謡曲演歌そのようなレコードではこの隣室での甘美なる経験をすることは終ぞ無かった。

その理由が何であったのか深く考える間も無く私はやがてオーディオの世界から去るわけだが、その答えはあれから数十年もの時を経た今になって、そう、掛川さんのオートグラフそれもモニターレッドから発せられる音によりはっきりとまるで言葉で言い含められるかのごとくに突如として理解できたように思う。

機械であるスピーカーが発するものとは何であるか?わざわざ言う必要もないがこれは音を発するための機械なのであるから答えは 音 であるに決まっている。
次にスピーカーから発せられた音はどのようにして聞き手の耳へ届くのか?振動板により空気を直接振動させることで音と成し聞き手へと届ける、ここではそんな程度の説明で事足りるだろう。
ではその振動板からホーンを介した場合はどう違ってくるのか?この事の説明はこ本文の冒頭で簡単に書いたが、つまりはホーンの技術とは音を遠くまで届ける事をその目的として構築されていた。

ここで両者からある程度の距離を置いてその音を聞こうとする場合、振動板のみで音を発する場合にはその音を聞き手まで届けるに足るだけのアンプ側の力を必要とする。
まだ十分なアンプ出力が得られない時代ではここでスピーカー側でも工夫を凝らす必要があり、スピーカーの振動板にはより軽くて強い素材や構造、製法を研究すること、更にまた磁気回路の最適化、更にその材料の吟味そして強力化によりスピーカー自体の変換効率を上げるための大きな努力が必要であった。ホーンの技術もまたそんな努力の中のひとつとして生まれたものであると言える。
振動板から出る音をホーンにより拡大した場合、それが適切な設計であるならばスピーカーの変換効率は段違いに大きなものとなるからアンプ側の負担は小さくて済む。初期のウエスタンエレクトリックのアンプなぞほんの数ワットの出力しか持っていなかったのだが、それでも大掛かりなホーンシステムによるウエスタンスピーカーは千人規模のホールでも浪々と鳴り響くだけの力があったと言う。

ここの所を良く考えてみて欲しい。

いったいウェスタンのホーンシステムに何の不足があったと言うのか?後世の人々はこれから何を引きこれに何を足そうとしたのか、そしてその事は本当に必然であったと言い切れるのか?
無論私自身も全盛期の良い状態を維持したウェスタンなんて聴いた経験は無い。せいぜいが池田圭先生の所のものを聞かせていただいた程度の事だ。
なのでこの部分については想像で言う以外に無いのだが、まあしかし然程心配する必要は無かろうとも思う。まともなウェスタンの音を聴いた経験のある人なんてもう何人も生きちゃあいない。


初めにホーンシステム有りき。後に広く定着することとなる箱によるシステムは全ては妥協の産物ではなかったのか?

箱によるシステムはそれでもアンプ側の出力が稼げるようになると安定して大音響を実現出来るようになって行った。勿論それに伴うスピーカー側の改良も同時進行し大入力に耐える工夫が成されて行くことになる。
アンプ側の余裕がスピーカー側に必要以上の高効率を求めないようにまでなるとスピーカーの側はよりワイドレンジにあるいは低歪率へとその方向性を変え所謂高忠実度化への道を進むようになる。
そしてこの流れの中でスピーカーの音からはどんどんと音楽が失われることとなった。紙の上に出力される様々な特性からはあらゆるネガな(と思われる)点が潰されて行き、技術者たちは平坦になりまた低比率化したグラフを眺めてはそれが進化の結果であると信じ込もうとした。良し悪しの基準を数字に置き換えようとしたのである。
オーディオ暗黒時代の始まりであった。しかし、これでは正に木を見て森を見ず。心を失った音は迷走を始めることになる。

欲しいものは何だったのだろう?大事なものはどこへ消えて行ったのだろうか。

そもそも音 とは、エネルギーである。
また音楽とは、感情である。
聞き手に感情を届けるためのエネルギーとしての音は、いつしか機械が自己満足しているだけの心の無いただの音になってしまっていた。
最初にあったオールホーンシステム達が軽々と運んだその心はいつしか聞き手の元へは決して届かないようになって行ったのだ。

人は誰かに呼びかけようとする時、無意識に口元に両の手をあて届けと願いながら声を発するものだ。願いの無い呼びかけはただ突っ立ってまま大声でがなり立てるような事となり、それはこちらには甚だ見苦しいものと映る。
相手に届く声とは、その相手の方にしっかりと向きながら心から発するものであるから、その音量は意外な程に小さなものであったとしても気づくことが出来る。時には音は物理的な距離によってかき消されていても心だけが真っ直ぐに伝わる場合さえ有り得る。
オールホーンシステムはそう言う力を持っていたのだ。

そのこと故に、K先生のオートグラフは小さな音量の中に奏者の溢れんばかりの感情を伴って直接こちらの心に飛び込んでくるかのような鳴りかたをする。
何も不思議なことなのではない。そんな風な音が出るのにはきちんと理由があると言うことだ。

......

2014年10月26日 (日)

タンノイ オートグラフを評価する,その2

ここで書く事柄は今から35年ほど前の遠い昔の記憶です。

幸い、と言うべきなのか?こちらもだいぶ歳喰ってまいりましたので昨日今日の出来事の記憶なんてまるで当てにならなくなっておりますが昔のことはよく覚えてるもんです。昔爺ちゃんか言ってたことそのまんま今、自分がやってる感じですねえ(笑)


......

2,オールホーンシステムはホームオーディオとして存在し得るのか?

過去に登場したオールホーンシステムはいずれもが巨大なものであり、また内部構造の複雑さ故非常に高価なものでもあったしかつ重量も嵩んでいた。
オーディオ好きなら誰しもが憧れたであろうそれらのシステムは、例え幸いにしてある程度の財をなし十分に購入できるような境遇になったからと言ってそう易易と自宅に招き入れられるようなものではなかったようだ。

購入を検討した場合にまず問題となるのがやはりその本体の大きさである。店頭で見るシステムの大きさは実際に自宅へと招き入れて設置した時に驚愕の大きさと映る場合も少なくない。
従って日本家屋に於いてはそもそもシステムを置くだけのスペースで既に難儀し、コーナー型のシステムではステレオで使用する場合にはスピーカー間の距離を必要とされるだけの十分なものを実現できることは恐らく稀であろう。
またシステムの大きさは必然的に広い部屋空間が備わっていることを要求し、曰く、これはそもそもが欧米の邸宅で使われることを意図したものであり日本の家屋で使うのは無理、あるいは大音量を出せない境遇でこんな巨大なシステムは意味がない、と。これらは当時巷のオーディオ好きの間で盛んに交わされた言葉である。当時の高名な評論家の間でもこの意見に賛同する向きすらあった。

だがここで思い出して欲しい。
JBLがスタジオモニターシリーズを展開し、その頂点でもあった4343を発表した時、その十分に巨大と言って良いシステムが日本国内で狂ったように売れまくった時代があったことを。

その当時でもJBLのカタログにはパラゴンがまだ存在しており、さすがに価格比では倍近いものがあった事は事実だが、それでも売れたのは#43シリーズのみに極端に偏っていた。当時の輸入元の話として国内で15,000本あるいは15,000セットであったかも知れない、なにしろそのような数が売れたと言う。
内蔵するユニット群は価格的には両者ほぼ同じものが使われたが、#43シリーズではウーファーにそれまでのD130系からがらりと変更されたLE系のものとなり、こちらはより低音域の拡大を狙ってコーン紙が重くなりfoが下げられ、同時に能率は落ちていた。ミッドレンジのドライバーも従来の375系からPROシリーズへと移行、こちらもマグネットが強化され特徴的なショートホーンに音響レンズが組み合わさる形となっている。更にツイーターでも基本部分は従来の075を踏襲しつつ前面のホーン部分に改良を加えてハイエンドの拡大を狙っていた。

#43シリーズに於けるこれらの変更の目的はただひとつ、この時代マルチトラック録音が確立しまた流行りの音楽もクールジャズからクロスオーバーへと激しく返還する大きな流れがあった。ロックの世界でも同様に激しい動きがあったようだ(この分野は詳しくない)。
またクラシック音楽の現場に於いてもマルチマイク/マルチトラックによる録音は従来のデッカリボン方式のようなワンポイント収録からはがらりと様相を変えており、録音スタジオのモニターとして瞬く間に日本中を席巻した#43シリーズの現場での使われ方は非常とも言えるような大音量に耐えその中でそれぞれの音を正確に掴み取ることができるもの、そういうことが求められていたようである。

話を少し前に戻そう。
この時代#43シリーズに最初から着目し研鑽を重ねながらホームオーディオ用途としての使い方を提案したのは故 瀬川冬樹先生であった。
初期の4320から既にスタジオモニターシリーズに取り組んでおられた瀬川先生は後に生涯最後のシステムとして4343をその友とし、そしてその音は正に唯一無二、他の誰もなし得ない世界を構築されていたと言われるが、その最盛期にガンにより急逝されたことは私にとっても甚だ存念なことであった。

その正に同じ時期に私は瀬川先生のすぐ近くに居たのである。しかしその音を自分の耳で確かめる願いは終ぞ叶えられることはなかった。
ただ幸いにしてやはりごく近くで交流されていたオーディオクラフトの花村さん、またメースの森田さん、このお二人とも近い位置に居られたことで、そのお二人からの言葉により瀬川先生の4343の音はある程度の所までは想像し理解する事は出来ていたような気がする。

......瀬川先生の4343は然程大きな音量で鳴らされているわけではなかったようだ。

実は#43シリーズを小音量で鳴らすと言うことは実際には大変な難題でもあるのだ。
その理由はこのシリーズで使われているユニット群の出自に由来し、先に書いたように強力なマグネットによりオーバーダンピングに躾けられたそれらのユニット、特にウーファーに於いては顕著になるわけだが、そもそもオーバーダンピングのユニットをパッフルマウントしてバスレフで動作させる事自体に非常に無理があるのである。
ユニットをオーバーダンピングに誂える理由はあくまでもホーンロードを掛けることを前提としたものであり、#43シリーズがそのような設計の箱であることはホームオーディオでの見地からは甚だ間違った設計と言って構わないと思うわけだが、だがしかし、これはそもそもがホームオーディオでの用途など微塵も考えたものではないあくまでもスタジオモニターとしての最良の結果を追求した形であるわけで、その使い方としては重複してくどいようではあるがこれはあくまでも近接した状態での大音量が要求されたそのことに対するJBLの解であったわけで、勿論ここでのJBLに非は全く無い。

問題とされるべきはこのような出自のシステムを家庭に持ち込もうとした人、即ち瀬川先生その人なのである。

.......然し乍らその瀬川先生の音は、それはそれは甘美な至極のものであったと今に伝えられている。

今回評価を試みるK先生のオートグラフは、やはり常にこちら側には思いがけない程の小音量で鳴らされているのであった。
珠玉とも言えるオリジナル オートグラフ、安心して大音量を叶えられるそのオールホーンシステムで敢えて小音量で奏でるその理由がどのようなことにあるのかは、次回へと続けたい。

......

Autograph 構造参考資料

大変複雑な内部構造となっているオートグラフ、手持ちの資料をアップしようかと発掘をしてみましたがこれはキリがありません(´Д` )

自作に挑戦された方が詳しくご説明されているサイトがありましたのでこちらを参考としてください。


http://www.gruppe-iino.com/AUTOGRAPH/index.html

2014年10月25日 (土)

タンノイ オートグラフを評価する,その1

久しぶりの記事になります。
一年余りの放置ご容赦m(_ _)m

......

数年前のこと、全く些細なきっかけで知り合うことが出来た隣町のK先生、たいした事前情報もなく訪れてみたそのリスニングルームに鎮座していたのはなんとも状態の良いタンノイ オートグラフなのでありました。
そしてその音と、更に長年に渡る真摯な取り組みの様子を知った私はそれからK先生のお宅に度々お邪魔することとなり、そしてついに今年になってユニットを非常に状態の良いモニターレッドに換装されて鳴らしこみも完了したとの事、先般その音を聴かせて頂いて、ああこれはもうオートグラフの完成形だよなあと染み染み聴き入ってしまったのです。

そうしてK先生からはそれなら感想文を書けとの宿題を賜り(^^;;自分がこの音を説明しようとしても文字にできないから代わりに書けと、まあそのようなご要望を頂きましたので仕事の合間にちょこちょこ書き帰ってからは一杯やりながらまた書きと、それでこのブログ主の体質ですから書き出したら止まらないやめられない正にかっぱエビセン体質(笑)書いてる内にネタがポンポンとエンドレスに出てきます。

以下はそんな感想文となりますが、なにしろ今となっては手元にロク資料も残っておりませんから本人の記憶のみの記述となっております。

乱筆乱文ご容赦賜りつつ、お好きな人は読んでみてください。

Image

......

1,オールホーンシステムの功罪

オートグラフのウーファー部分、低音域はフロントショートホーンとリアバックロードホーンの二つのホーンにより構成されている。二つのホーンはメカニカルにクロスオーバーされる。
この内フロントショートホーンはユニットの前面、言うまでもなく円形のコーン紙エッジ部分をやや塞ぐ形での方形からスタートするホーンとなっており、ここの始まり部分での僅かなマスキングはローカットフィルターとして機能する。

このような形状のホーンは他の著名なホーンシステムでも見ることができる。すなわちALTEC ボイス オブ ザ シアター A1からA7に至るシリーズであり、またJBL 4550/4560のシリーズなどがある。
この場合のローカットの意義は最低音域をある程度の所でスパッと諦め必要な音域をより遠くまで飛ばすための手法であると言える。即ちこれは本来はPA用途での技術であり、前述のALTEC/JBLシステムが実際に使われる現場の事を考えてみれば容易に理解できるはずである。
これらではエネルギー感としての低音は遠方まで非常に効率的に届くが冷静に聞き分けてみると概ね40Hz以下の超低域成分はスッパリ切り落とされてることがわかる。
この事は一見オーディオ的には疑問視される向きもあろうがPAの現場では必要な事なのであり、ここでの無用な最低域はマイクのハウリングの要因となるし何よりも生演奏の場での音のキレを阻害する要因ともなり得る。

次にもう一方のリアバックロードホーンに目を向けてみる。
オートグラフのような複雑なバックロードホーンに類するものとしてはJBL パラゴン/ハーツフィールド/4520、Vitavox CN191などがあり、この内4520のみはPA用として供されたが他は皆ホームオーディオとしての用途である。
(4520に関しては構造上コスト高である事からPAの現場では大きく広がりを見せることなくフェードアウトして行った)

PA用途としてのホーンシステムの考えはより大きなエネルギーをより遠方まで届けることであることは先に述べた。そのため周波数特性に関してはある程度目をつぶっていたと言うことも同様。
これがホームオーディオとして限定するならば必要以上に最低域をカットする理由は無くなる。勿論ホーンには設計上カットオフ周波数と言うものが存在するため無限に低域を広げることは不可能なわけだが。

このように、オートグラフに於いてはローカットしたフロントショートホーン、自由にカットオフを設定できるバックロードホーン、そしてデュアルコンセントリックユニットそのものの高域ホーンと言う三つのホーンが組み合わされる構造となっている。
これらのホーンによる帯域の分担では、ホーン同士の部分的な重複に起因するものあるいは相互の干渉によって部分部分での位相差の発生は避けられないことであり、この点こそがオートグラフの唯一の克服不可能な弱点であろうと考える。
もっともこの点に関しては、他のシステムではオートグラフが単音源であることに対し複数の音源を持たざるを得ないその構成上から問題はさらに複雑かつ深刻なものとなるわけであり、同軸構造のデュアルコンセントリックユニットを使用するオートグラフこそがこの問題に対する最適な解となり得るわけだが、それでもホーン相互の干渉による問題は残ると言うことである。何もオートグラフだけに問題があるわけではない事は強く記しておく。

次に、かつてのオートグラフ、パラゴン/ハーツフィールド等が輝きを放っていた時代では、世界には他にも様々なホーンシステムが存在していた。そしてそれらは必ずしもオールホーンシステムであるとは限らず、特に低音域に於いてはより簡略的な密閉箱あるいはバスレフ箱も多用されていて高音部のみをホーンが受け持つ形となっている場合も多かった。

ここで、ユーザーの側から両者を分ける時の選択基準はどう言うものであったのだろうか?

この時代、既に各社の強力なユニット群はホームオーディオ用として供されるのと同時にPA用途としても大いに活躍している。
それらに関する資料は残念ながらウエスタン エレクトリック系列のもの以外、特にヨーロッパ各社のものに関してはほとんど残っていないのが現状だが、それでもその当時のそれぞれの現場でこう言ったユニット群が多用されていたであろう事は明らかな事実であろうと思う。

なにしろそもそもの高効率スピーカーの研究/開発は軍用を目的としたものであったから、その技術が民生へと降りさらに家庭に持ち込まれるのは順番としては最後になることは明らかだからだ。
戦後になってから暫くして突如として欧米各国でこのような大掛かりなシステムが登場した背景はそんなところにある。つまり戦時中に既にほとんどの技術的な問題はクリアされていた。それを民生用として形を成すために少しの年月が必要であったと言うことだ。それまでの軍需一辺倒ではほとんと無制限の予算の元で開発を進めることができたのに対し、戦後の体制変更に即応して民需へとスイッチを切り替える際にはそう言った予算面での制約が大きかったであろうことも容易に想像できる。

そうしていよいよ家庭へと持ち込まれたこれらのシステムは当初は懐古的な外装仕上げを纏い、戦後の好景気に沸く戦勝国の富裕層へと徐々に浸透して行く。
この流れは次第に中層階級へもと続いたのだがこの間に恐らく金額的な問題、そしてシステムの大きさと言う問題が発生したことで次第にウーファー箱を簡略化する方向となったようだ。
タンノイで言うところのコーナーヨークからレクタンギュラーヨークへ、そしてⅢ LZへと言うような流れである。

なるほどミリタリースペックそのままを維持しながら家庭用として設えた初期のオールホーンシステムが持つあまりのオーバースペックは民衆の家庭に於いては全くの無用の長物と判断されたのかも知れないし、むしろ効率良く大量生産して廉価な品を発売することはメーカー/購買層両者の理には叶っていた。なにしろタンノイに於けるそれらの廉価品の中に収まるデュプレックスユニットは惜しげも無くオートグラフと全く同じものが使われていたわけだから。

ユニットは同一であり、箱の違いはそう大きな問題ではない、多くの人々はその謳い文句に納得し遥かに廉価となったそれらの品を喜んで買い求めたことであろう。

しかしここで、ほんの僅かな人々だけは少し違った考えを持つようになっていたようだ。それらの品とオートグラフを改めて比較することで彼らはオートグラフだけが持つオールホーンシステムであるが故の危険な香りに今更ながらに気づき、そしてその事でオートグラフに対し益々魅了されて行くことになるのである。

複雑なホーンを捨てた他のシステムが失ったものは、実は余りにも大きなものであったのだと言うことだ。
その危険な香りに気づいた者だけが今も真のデュアルコンセントリックの魔の魅力を堪能していられるわけである。

.........

2012年7月15日 (日)

ALTEC #128B Meets #830"LAGUNA"

Img_0326

好きな人にはたまらん絵だと思います。
まあたぶんこの組み合わせの写真は世界中探してもまず出て来ないでしょうね。
それだけレアな古い時代のしかもその時の同時代を生きた機械同士の出会いが今日、実現しました。

場所は例によって隣町のAUDIO師匠宅です。

きっかけとしてはこんな感じ。

「TANNOYのシルバーの良さげなのが出てるんですよ。ちょっと聞いてみたんだけどウチのには無い中域の分厚さが心地よくてかなりぐらぐら来てるんですがどうしたら良いんでしょうかね?」

「はー? なにあの絶品のオートグラフ入れ替えるとでもおっしゃるんですか?」

「まあとにかく来てよ、その事で色々相談させて頂きたいし。そんな事考えだしてたら途端に今のオートグラフもラグーナも調子良くなっちゃってて夜も寝られなくて大変なのよ」

はあ。

まあだいたい見当は付くけどまたお宅にお邪魔して折角の音も聞かせて頂きつつまたなんぞお話しさせていただくようですかね。
ただねぇ、師匠宅の音って、特にオートグラフの方なんかたぶん今現在のしかも全世界的に考えてみたとしても確実にトップレベルにある音であるはず。
こんなチンピラおやじがあれこれ口出しするようなレベルの音じゃないと思うんですけどね。(汗)

まあいいか、答は最初から明らかなんだし。

と言う事でお邪魔したまずはALTEC "LAGUNA"の音。あらまた一段と奇麗なバランスになって美味しくなってますこと。
で、さっきの話の続き。

「モニターシルバーのユニット単体としてはいくつも出物があって、だけどオートグラフの箱に入ってるものは1台しか無い。ペアでは出て来ない。あるのはヨークとかGRFとかもう少し小さいヤツだけ。ならばユニットだけ買って入れ替えてみるか?」

はあ。

これだけの状態にあるオートグラフのユニット外すんですか?
まあ一度シルバーに入れ替えてみてまた今のゴールドに戻せばいい? 
でもこんだけの状態だと同じユニットを脱着するだけでも音は大きく変わっちゃうんですけど?

ヨーロッパものユニットって取り付けねじの締め加減だけでも音色のコントロールが出来るぐらいシビアなものなんですよね。古いヨーロッパもののユニットでは多くの場合キャビネットとの当たり面に付くガスケットを最初からわざと柔らかいものにしてあって、取り付けねじはアメリカ製品みたくきちっと締め付けるような使い方にはなってないんです。落ちない程度に音が過剰に漏れすぎない程度に緩く締めて止めるってのが正しい使い方。だって音色が激しく変化するんだもの。
アメリカ製品の場合はリジッドに強く固定するって考え方なのに対しヨーロッパものではガスケット部分のコンプライアンスを積極的に利用しようって考え方になってるんですね。締め付ける時のネジの角度で言うと90°(1/4回転)の違いで音は顕著に変化します。

次の問題点は、果たしてそのシルバーのユニット、ちゃんと生きてるものだったんですかねー?と言う話。
スピーカーって紙の「コーン紙」ってのを使ってるわけで。
それって極端な酷使あるいは経年によっては「枯れる」事があるんですよね。音がスカスカになっちゃうの。具体的には中音域だけしかまともに聞こえないって状態になる事があります。
これの有名な参考例はかつて新宿にあった「DIG」のLE-8T。聞いた事ある人ならわかるはず(笑)

で、さらにそのシルバーがまともであってそれでもそんなバランスの音であるのだとした場合。たぶんそんな事は無いと思うけど。
まー、
スピーカーったって所詮は機械なわけで。ひとつのユニットで広い帯域をバランス良く鳴らそうとすれば全域の音は広く薄くと言う方向になるのは致し方ない事。
それが特定の音域だけやたら元気で他の音域はまあいいか?みたいな作り方って、やろうと思えばできない事は無い、つかまあ技術的にはむしろ容易い事と言えるかも知れません。でもそんなのHi-Fiじゃあないよね?って事。

この事って実は実際のAUDIOの楽しみの中では相当に重要なファクターであるとも言えるんです。
つまり「きちんとバランスされた音は最善ではあるかも知れないが決して最高のものとはなり得ない」

AUDIO好きのこれは宿命とも言える部分なんですけど、それぞれがとことん突き詰めて求めて行った先にあるのは
「自分が好きな」
「この音楽の」
「この部分を」
「本物のと見まごうばかりあるいはそれ以上に」
「リアルに、またドラマティックに、あるいはセクシーに」
「再現あるいは新たなる表現をしてくれる事」

そう言う事なんですね。決してHi-Fiじゃあないよなと。(笑)

そんな事があってとりあえずのお遊びとしての提案がこのALTEC #128Bなんですよ。まあウチにたまたま転がってるものでもあるし。
まあLAGUNAでしょ? 入ってるのは超希少品のALTEC初期型ウーファーである#803A、それが相当に特性が揃ってるように聞こえる状態で片側二発ずつ。これって確かfoが高くて非常にドライブしにくいユニットであったはず。本来はホーンドライブが前提なのかなと。それが普通のバスレフ箱に入ってるんだからK師匠のようにまともに正面から300Bシングルでドライブしても無理があるんじゃ?と言うのがその理由です。

ここはまあちょいとひと癖ある#128Bで試してみていただきましょうかねぇ。6CA7PPだからそれなりにドライブ能力はありますよーん♪

んでおまけで手持ち予備のSHURE V15-Type3も長期貸し出し〜

さてさてK先生には福音となるのかそれとも新たなる頭痛のタネとなるのか?(笑)


2012年4月 5日 (木)

Tribute to 「タンノイの神様」

前の記事でご登場願った隣町のKさんから、記事の内容につきまして少々ご指摘と言いますかお叱りと言いますか、

あれ? またメール頂いてる......
あらら、こりゃちょっとまずいかな(汗) 早速記事の一部を訂正させて頂きました。

ご指摘頂いた内容と言いますのは、つまり「神様」と言う記述の部分に関してなんですけど、

.........ご本人曰く

「自分はたまたまG.R.F.AUTOGRAPHを使ってはいるけれどこの方面での諸先輩がたに比べるならばまだまだ経験も知識も乏しい若輩者に過ぎないのだから文中での"神様"と言う表現はあまりにもとんでもない事なのである、そんな事ヘタに言ったらその方面の先輩方に袋だたきに遭ってしまうかも知らん?」
「そうしたら本当の神様、仏様になってしまうじゃあないの」
「わたしゃまだ死にたくないのでそれだけは勘弁して欲しい、お願いだから記事を訂正してちょうだい」

へぇーい。そう言う事でしたら直ちに訂正させて頂きます。
どうも失礼いたしました。(笑)

.........って、

.........ふう〜んんん?

今、そのKさんがお見事に実践されているオートグラフでのあの世界って、今まで実現できた人はいったい何人いるんですかねー? とか筆者は思ってしまうのだ。

閑話休題(一旦逃げる)

............

今回は少し真面目にAUDIOの事を書いてみます。
#写真は全てnet上から拝借させて頂きました。さすがにこの辺の資料はもう持ち合わせてはいないので。関係者の皆さま、STEREO SOUND誌、他各方面、ここはまともなオーディオマニアさんは見向きもしないようなブログですんで何卒お見逃し頂けますよう(汗)お願い致します。

と言う事で、お題が「G.R.F.AUTOGRAPH」となればやはりこの人、


Photo

五味康祐このお名前は一般的には剣豪小説で名を馳せた芥川賞作家として記憶されている方が多いと思われますが、古くからのオーディオマニアにとってはまさに「AUTOGRAPHの神様」として永久に記憶に残るであろう非常に重要なお方なのであります。

そのお元気だった頃のお部屋のご様子が紹介されたこの写真はたぶんSTEREOSOUND誌だったと思います。

1_18

2


五味さんはオーディオに関しても多くの著書を残されているのですがその中でもひと際有名なのが「西方の音」ですね。
そしてその本の中でTANNOYに興味を持つ人間にとっては極めて重要なのがこの章、わがタンノイの歴史であり、これは幸いにしてと言うべきか丸々web上で発見できましたのでご紹介させて頂きます。

(これは是非じっくりと読んでみて頂きたいものだと思います)

ここでの五味さんの文章を今改めて拝見してみる時、筆者なんかはまるで時間があの頃に戻ってしまったかのような錯覚を覚えてしまいます。かつての、ほんの40年ばかり前の(汗)まだAUDIOのなんたるか?なんて微塵もわからない頃に貪るように読んだ五味さんの記事の数々に浮かび上がるのはこれぞまさにAUDIO至福の世界なのかと感じいったものですよ.........

当時ほんのコゾーだった筆者からすればそれこそ、ここでの諸先輩がたってもの凄いご苦労をされてたのねと。(汗)

実際この時代はまだ日本のAUDIOもほんの黎明期であり、現物なんかまず見る機会すら無いせめて欧米から辛うじて僅かな情報だけが届くかな?と言うのが普通な場面で実際にこれらの製品を入手し得たのはほんのほんの僅かな人、それも非常に幸運かつ並外れて裕福な人たちだけに留まっていて、しかもそれも当時の1ドル=360円レートですから憧れのあの品も日本に届く時には恐ろしく高額な商品になっていたわけであり、いやそもそもその入手ルートさえ困難を極めると言うそんな状態であったようなのです。

実際、これは五味さん自身も書かれてますけど所謂「カス」を掴まされる事も数多く、つか数知れず?
まあそれはそうでしょうね、なんたって情報そのものが少なく怪しいものばかりだったはずですから。

そんな紆余曲折の数々、あまたの魑魅魍魎どもの悪戯をかいくぐりながら経験を重ねる中でご自身の信念に従って選択した、と言うか出会うべくして出会ったと言うべきなのでしょうそれが五味さんのAUTOGRAPHであったのだと思います。
そしてそこからの五味さんご自身のAUTOGRAPHとの対決の日々、
それは様々な葛藤と挫折を繰り返す中で徐々に、そして確実に形を成し、ついには五味さんとAUTOGRAPHが融合するかのような形で至福の世界に到達し得た、と、歴史は物語っておりますねぇ。

いやー、その音を聴いてみたかったなあ。
筆者はその時代にはほんの少し間に合わなかったのですよ。

ただ、五味さんが残して下さった(オーディオ関連)数々の著書の中にはその五味さんが成し得た世界への重要なヒントがちりばめられている訳で、そんな宝物のような世界の欠片を拾いながら五味さんのお言葉の意味を吟味し自身で熟考する事で五味さんの世界のほんの入り口程度には到達できてるかも知れない?
そんなお一人が件のKさんであるのだなと筆者は思った訳だ。

だってTANNOYでのこんな音なんてかつてどこでもどんな状況でも聴いた事ないし。

もちろんAUTOGRAPHの「可能性」って意味での話では色んな所でさんざうんちく聞かされてますからそのポテンシャルに関して否定する要素は何も無いの。でもね、実際そんなのどこでも聴いた事ないんだもの。

まー、なんでかなー?ぐらいの気持ちで現在に至っていた訳です。
(その理由に関してはもちろん薄々勘付いてはいたんですけどね)

で、今回のKさんとの出会いとなるわけです。

いやあ、そのKさんはひたすら謙遜しておられるのですけれど、とにかくあのAUTOGRAPHをモノにされたその根性と言うべきか執念とも言うべきなのか、とにかく素直に感動させて頂きました。
なのでつい「神様」とお呼びしてしまったのにはそれなりの根拠と言いますか感動があったからなのです。これは本心。
五味さんが著書の中で語っておられる核心の部分を正しく理解しておられる事がその音から感じ取れたため相当にびっくらこいたんですよお。
なんだかKさんを通して五味さんそのものが身近に感じられたような、そんな感動。

ま、Kさんが本当に神様になっちゃったらこちらとしてもかなり困るので(笑)以後は注意致しますと言う事をなにげにブログのネタにしてしまったと言うのが今回のお話しでした。

ほんとはこの件に関してはもっともっと話を膨らませたいんですけど書いてると寝る時間がなくなっちゃうのですよ。なので、

今日は以上、おしまい。続きはまたの機会に。

2012年4月 2日 (月)

厳口博耳(TANNOY AUTOGRAPH)

今日は隣町にお住まいのTANNOY遣い、Kさんのお宅に久しぶりにお邪魔致しまして、なにやら私の事に関しましてお言葉を頂きました。それがタイトルの言葉。
その意味としては、
「まー、耳はちっとはマシなのが付いてるようだけどあんた口は悪りいわなあ」

......そんなトコだと思います、たぶん(汗)

まー、AUDIOの事に関してだといかなるお偉い方がお相手だとしても一切妥協する事無く聴いたまま感じたままをストレートにもの申すってのが私の取り柄ですので(笑)

......だってさ、折角見つけた貴重なちゃんとわかってる人相手に妙な遠慮しててもつまんないでしょ?って事。

しかも原文ではこれに「様へ」なんてのまで付いてるんだな。あー怖わ(笑)

Img_0189

と言う事で本日のKさん宅のご様子を撮影。
なんたって筆者愛用のiPhoneが(無料キャンペーンで)4Sになって以来そのカメラの高性能ぶりには大変に驚きまた重宝しており、今日のKさんのお部屋の様子もノーフラッシュ手持ちでこんな程度には撮影できるんですね。

まず手前に一本だけ映っているのが ALTEC #830"LAGUNA" オリジナル極上品。
こちらのサイトに本家オリジナルの資料が紹介されています。

奥の大きなスピーカーシステムは言わずと知れた英TANNOYの象徴的な名作"オートグラフ"
こちらのサイトでエンクロージャー内部の構造を伺い知る事が出来ますが本当に複雑な手の混んだ品になっているのです。
この構造を現代の高度に進化したCADで再製作したとしても相当に苦労する事請け合い(汗)

Img_0184

Kさんのシステム入り口はこんなご様子。
英ノッティンガム製ターンテーブルシステムに同メーカーのトーンアームが組み合わされたこの状態は、.........いったいおいくらするんでしょーぉねー? 改めてじっくり拝見してみるとなんともお値段聞くのが怖そうなたたずまい(汗)
とりあえず輸入元?らしき所からの説明書pdf

ふーむむ、なんか凄そう。

フォノカートリッジ、要はレコード針部分は エミネント、下にちらりと写っているオーディオクラフト製フォノイコライザーアンプと共に、これは筆者もよく存じ上げているところの松平さんの渾身作ですねぇ。変わらずお元気に活躍されているようです。


Img_0186

続いてアンプはさわりだけご紹介。

こちらのKさんはパワーアンプは自作品を使っておられます。
出力管はオーソドックスに(笑)300Bを使用。
ただしまぁ当然にと言うべきかしごく常識的な選択としてウェスタン球が使われています。しかも「イイやつ」

そんなお方ですからその他の球・トランス・LCRに関しては特に説明する必要も無いでしょう。
......と言いつつ実はその辺の細かい部分でのパーツ選択と定数決定部分にこそKさんの類い稀とも言えるご経験が生きて来る訳なのですがこれについてはまた後ほど改めて書きます。
#そんな簡単に書けるようなものではないのだ(汗)

で、
最後にひと言だけ今日の音の感想を書いておきますが、
例えば筆者も大好きなOLD JBLなんかではよく「音が見える」なんて言う表現をする事があるんですけど、今日ここで筆者が見たものは「音楽」そのものの方なのでした。

TANNOY AUTOGRAPH
それは「音楽が見える」音

うわぁそう言う事だったのか.........

2012年3月13日 (火)

音出ししてみる

(たまには普通の日記風に......笑)

今日は月イチの病院通いの日だったのだが、群馬大学病院の整形外科はきちっと予約しておくとほぼその時間であっさり用が済むのはありがたい。待ち時間15分、診察5分、支払いで10分ぐらい?

まあ交通事故に遭って以来まる三年も医者通いしてればその辺はもう手慣れたものだ。

帰りは他に特に用事もなかったのでそのまま帰路についたのだが折角のよいお天気なので屋根を開けて走った。病院がある前橋の今日の最高気温予想は7° その時の時間はまだ午前9時過ぎだったので実際には6°ぐらいかな? それでも日差しはもう随分暖かくて風の冷たさは大して気にならなかった。信号待ちでビル陰になると寒いけど。

途中出会ったオープンカーはZ4、S2K、コペン、ただし平日のこんな時間に屋根開けてのんびり走ってる人はさすがにいないよなぁ(笑)

道中はSACLAMサウンドを楽しめるので余計なカーステの音なんかいらない。

......関東地方では花粉がもうたくさん飛んでます?
こっちは脚が痛くてそれどころではないのでそんなもんどうでもいいわ。毎日こんだけ薬飲んでたらどれか花粉にも効いてるんじゃないの?って。(笑)

途中、ふと思いついて農協の産直センターに寄ってみる。ここでも葉ものは高いなあ。脇芽のブロッコリーといちごを買い求める。まるの白菜が欲しかったんだけどな。やはり児玉まで足を伸ばさないとダメか。まあ今日はこれでいいや。

そのまま一旦家に帰って空の灯油ポリタンクと保管してある玄米4升を積み込み近所の別の農協に出かけ給油と精米。これでもう出かける用事は無くなったのでロドスタを軽く水洗いした。

ここまででまだ午前11時。さてあとなにしよう? 時間があるんだからやっぱあれかなあ。
とりあえず昼飯作って食ってちょっとお昼寝して、

Img_0152

一気にオーディオをやり変えてみた。

3wayマルチアンプドライブを全部バラして位置替えし新入りの(4千円)アンプを仲間に加えて再結線。繋ぎ間違えがない事を確認したら、......あれ?右の高域が音出ないわ。くそ、スビーカー側の接触不良か。続いてパワーアンプそれぞれのレベル合わせ、アンプ間のパワー差と音質差が激しいのでクロスオーバーポイントを変更、あーめんどくせ(汗) まあ安い割に細かく何でも出来るってのがこのチャンネルデバイダーの利点なんだけど。

そうしてだいたいの音が出るようになったら電源の極性もチェック。
色々余計なものを片付けて、掃除して、掃除機出したついでに家中全部掃除機掛けて、っつても狭い家だからあっという間なんだけどね。

それから後は音を出しながらぼちぼちコーヒー飲んでたり洗濯してたり。
やっぱマイルスええなあ。
ホロヴィッツもたまらんなあ。

そんなこんなですぐに夕食の時間になったのでご飯作って、娘が帰るの待って一緒に食べたらもう風呂入って寝るだけ。まあ平和な一日。


......って、
ここのおやじがそんなんでいいのか? って話は、今日だけは無しにしといてください。(笑)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

a#おやじな117coupe | a/Solex | a/カーステレオ | a/クラッチ | a/ショックアブソーバ | a/シート | a/ステアリング系 | a/タイヤサイズ | a/デフ | a/フロントコイル | a/フロントサス | a/フロントスタビ | a/ブレーキ | a/ヨソの117 | a/リアリーフ | b#おやじなJAZZ&AUDIO | b/a_McIntosh | c#おやじなロドスタ | c/a_ROMチューン | c/a_アンダーパネル | c/a_エアインテーク | c/a_エクステリア | c/a_エンジン | c/a_オイル類 | c/a_サス関連 | c/a_シート | c/a_ステアリング系 | c/a_タイヤ&ホイール | c/a_ブレーキ | c/a_ボディ補強 | c/a_マフラー | c/a_羽根 | d#サーキットで遊ぶ | d/a_ "ど〜だ"走行会 | d/b_筑波TC1000 | d/c_筑波TC2000 | d/d_本庄サーキット | d/e_ジムカーナ | d/f_「お山」方面 | e#おやじな車生活 | e/a_SACLAM | e/c_イベント | e/d_車いじり | e/e_トラクション? | e/f_雪道の走り方 | e/g_ヨソの車 | f#いろんな車 | f/a7_ISUZU JEMINI JT191S (Type Competition) | f/b1_CATERHAM 7 | f/b2_CATERHAM 7 1700SS | f/c7_LOTUS ELAN SE (M100) | f/c7_サスペンション | f/c7_ブレーキ | f/c7_ホイール | f/c7_マフラー | f/c_LOTUS | f/e1_HONDA NSX | f/f1_SUZUKI Cappuccino | f/f2_赤い耕耘機Cappuccino | g#おやじな「おいしい」 | g/a1_田沢農園の果物 | g/b1_「北の良品.com」 | g/d1_魚介類 | g/e1_食べ物 | g/f1_料理 | g/g1_日本酒 | g/h1_お米 | h#おやじなハンドメイド | t#自転車 | u#mac | v#blog | w#おやじなお知らせ | x#おやじな庭いじり | Y#猫(笑) | Z#う〜んと......(汗)

フォト
2014年12月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Twitter